こんばんは。
エルです。
奥泉光『雪の階』読了。
明治時代、上流階級のおっとりとしたお嬢様がヒロインのお話なのですが
気が付けば心中と見せかけた殺人事件の謎を解くミステリーに。
女学校に在籍するお嬢様は、廻りの学生たちが婚姻というかたちで学校を去るのが当たり前の環境下で、趣味はプロ級の腕前の囲碁や、数式を解くこと。
ある日親友が行方知れずになり・・・。
陸軍の兄が不穏な動きを見せたり、5.15事件や2.26事件も起こり、時代の雰囲気を細やかに描き
それだけでなく、ヒトラーの実はオカルト好きの部分も披露しながら
日本人はもともと神の民であった(?!)という濃い霧のなかを歩むような話の中にヒロインを自在に取り込んでみせる。
お嬢様は結構自由。そして迷いがない。
お嬢様の友人で女性カメラマンながら探偵も依頼される千代子さんも魅力的です。
分厚くて読むのは大変だけど、読む楽しみが詰まった一冊でした。
ラストがとにかく爽やかで微笑ましい。
今日の良いこと・今日は通院日。何故か主治医の先生とお話しすることに癒される今日なのでした。
皆様に幸運を!
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