こんにちは。
エルです。
今日なんとか読み終えた本。
柚木麻子『BUTTER』
あの木嶋佳苗被告を題材にした小説です。
主人公は雑誌記者の女性、里佳。
裕福な初老の男性たちを次々と殺した疑いで拘置所にいる、梶井真奈子を取材している。
梶井の真実を掴みたい里佳は、面会を重ね、徐々に彼女から言葉を引き出していくうちに
バターたっぷりの食事をするようになる。
あ、ここでやめたらアレですが、
もうフォアグラとかトリュフとか、
食べなければ梶井に近付けないと思った里佳が有名なレストランで食事をする部分では、胸焼けしそうになりました。
里佳の記者根性も凄すぎて、10キロ位太って周りから注意されるようになるところでは
何故か突然自分も痩せないとなあと焦りました(笑)。
それでもバターの持つ魅力と魔力に満ちた文章は梶井真奈子を何よりも映し出す鏡であり、
心身ともに仕事にのめり込む里佳が、バターを入り口に、ずしりと重たいステーキ等を口にして体重が増えていくうちに
男性目線の社会や、女性達を縛るシステムを痛感させられ
(太るのは自己管理が出来ないからだと彼氏に注意される場面もあったり)
更に梶井被告の親子関係から
自身の親子関係、親友の親子関係へと物語は再考を促していく。
読むのに時間もかかったし、考えさせられるものもありました。
正直ズッシリくる物語です。
本当にバターだなあ。
今日の良いこと・気がついたら変な姿勢でこんこんと眠っていました。
夜の眠りが夢ばかり多いから、ま、いっか。
皆様に幸運を!