「今日は明け方から少し長めに走ることにした。
スタート地点でみかけた,セミの抜け殻のようなもの。
小さいころ,集めたなあ等と思考をくゆらせながら,走った。
早朝でも空は青く,白い雲がのびのびと泳ぐ。
シャワーが恋しくなり,予定より少し早く切り上げた。
すっかり太陽も目を覚ましたころ,スタート地点に帰ってくると,
すこしだけ,数時間前とは雰囲気が違った。
セミの抜け殻だと思っていたものは,
まもなく羽化し,羽ばたこうとする幼虫だったようだ。
キラキラと白く輝き,
儚げながらも力強い生命。
夏,だなあ。
しばし見入る。
汗で水たまりができた頃,
ふと足元を見ると,
靴のつま先から羽化する私の小指。
夏,だなあ。
梅雨明けて久しい今日このごろ。」
これ,国語の教科書に採用されないかなあ,
と,友人に同じ文面を送ったところ,
「今から教員採用試験」の旨の返信がきた。
スタート地点でみかけた,セミの抜け殻のようなもの。
小さいころ,集めたなあ等と思考をくゆらせながら,走った。
早朝でも空は青く,白い雲がのびのびと泳ぐ。
シャワーが恋しくなり,予定より少し早く切り上げた。
すっかり太陽も目を覚ましたころ,スタート地点に帰ってくると,
すこしだけ,数時間前とは雰囲気が違った。
セミの抜け殻だと思っていたものは,
まもなく羽化し,羽ばたこうとする幼虫だったようだ。
キラキラと白く輝き,
儚げながらも力強い生命。
夏,だなあ。
しばし見入る。
汗で水たまりができた頃,
ふと足元を見ると,
靴のつま先から羽化する私の小指。
夏,だなあ。
梅雨明けて久しい今日このごろ。」
これ,国語の教科書に採用されないかなあ,
と,友人に同じ文面を送ったところ,
「今から教員採用試験」の旨の返信がきた。