ラヂオ惑星モルファス

集団自決と免許返納



嘗て「若い」経済学者らしい成田悠輔という人物の 「(少子高齢化の)唯一の解決策は、はっきりしていると思っていて、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないか」 なる発言が大変に物議を醸したことがある。今のところ否定するような記事も見かけないことから、現在もこの人物はこのような考え方を持っているということだろう。
これはかつてナチスドイツが「ユダヤ人問題の最終的解決策」として、強制収容~集団抹殺を行った論理と全く同じである。
今後のことであるが、成田祐輔なる人物は「高齢者の集団自決」が出来なければ「自決の補助が必要」と主張するのであろうか?

「自決」とは戦前までの使い方としては「自殺」を意味する言葉であったのは誰も知るところだろう。もちろんだが分かりやすく言えば、成田氏の主張とは「お前ら高齢者は役に立たない連中だから、さっさと自分で死んでくれ‣早く死んでくれ、お前らは邪魔なんだ・・・」ということだ。

さてそこで、池袋の高齢者ドライバーの暴走事故を一つの大きな転機として、高齢者の「運転免許返納」圧力が高まっている。
高齢者の運転リスク・・・アクセルとブレーキの踏み間違いなど・・・を声高に言い立てて、高齢者は運転をするな、お前たちは邪魔だ、少なくとも免許証は返納しろ!!!!!と言い立てている。一部と言えども正鵠を得た意見ではある。

しかし、鉄道から遠く(しかも、遠くてほとんど列車が来ない鉄道)バスも少ない(朝と夕方の2便だけ?とか)ような山間僻地に住んでいる高齢者は、「行動の自由」「居住の自由」などの基本的な生活上の権利を「車を運転する」ということでようやく確保している状況であることが多い。
「採算が取れないから・・・」鉄道は廃止するとなれば議論も比較的見えやすいが、細かなバス路線は運行が減少したり路線が廃止されたりしても、全国的に見ればごく僅かな人々にしか関係しないので、ほとんど知られることもなく、高齢者への利便性は切り捨てられている。

その上での「免許返納」である。
間違いなく、論理的には成田祐輔の「高齢者はさっさと自分で死ね!」ナチスドイツの「問題の原因を排除すれば解決する・・・、ユダヤ人を全て殺せ」という極端な思想と同じ文脈にある。

リベラルとおぼしき人々からですら、あるいは、高齢者の無謀ともいえる運転の「被害者」の側から、こうした「最終解決」・・・能力が低下していささか邪魔となった高齢者の「事実上の」社会的抹殺・・・を目指す声が高まっている。

一定の年齢に達したら人間は「無能力者」として、「運転免許や様々な公的資格・免許の返納」「ATMや金融機関へのアクセス制限」「インターネットへのアクセス制限」「医療を受ける場合の判断制限と然るべき人間による後見」「一切の契約の制限」などなどが進むだろう、おそらく。

まだ若い皆さん、たかだか30年後の君たちの未来はどうなるのだろう?

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