2月1日、カナダとメキシコ産の全製品に25%、中国産の全製品に10%の追加関税を課す大統領令を発令した。2月4日通関分からとのこと。
報道される限りの範囲ではあるが、BBCのページには、EUに対する関税についても『EUは「本当に(アメリカを)いいように利用してきた」と批判し、「この国の車を受け入れず、この国の農産物も受け入れない。向こうはこちらからほとんど何も受け入れないのに、こちらは何百万台もの車や大量の食料と農産物など、なんでもかんでも受け入れている」と述べた。』と書かれている。
正直に言って、まるで子供のような言い分なのだが、(子供のような)アメリカの保守層には分かりやすく、世界経済が複雑な相互依存関係にあるなどはとても分かりにくい(エリートの)屁理屈に映るのだろうか?
未だ発足して1か月も経たない2期目の政権なので、私のような素人が軽々しい判断はできないが、おそらくは1期目と同様世界中にある程度の混乱は生じるだろうが、基本的に「アメリカの国民が望んていることをやっている」ことを認識しなければならないだろう。
ある意味では、アメリカが落日の憂き目にあっており既に栄光は過去のものになっているという事実に、アメリカ国民がいら立っているがゆえに起こっている事態なのだろう。USスチールの買収劇でクリーブランドクリフィスのゴンサルベスCEOが「 日本は中国に不当廉売や過剰生産の方法を教えた。日本よ、気をつけろ。1945年から何も学んでいない」 と発言していることに象徴されるように、アメリカは過去の栄光を取り戻したがっている。まさにアメリカこそが1970年代以降何も学んでいない。1945年を引き合いに出すほどアメリカは落ちぶれてしまった・・・ということもいえるだろう。
これは日本に対しても言えることだが、「閉じた社会、閉じた考え方」には発展はないと言っていいのではないだろうか?成長する社会は常に開かれた考え方に立って、より開かれた方向に向かうものではないのだろうか?
日本も保守的で閉ざされた物言いが次第に強くなっていることにも懸念が募る。