父の世に父の日なんどなかりけり・・・西嶋あさ子
6月の第三日曜日は父の日である。例年のとおり、家族からプレゼントを頂いた。出来損ないの私を父として認めてもらっているのはまことにありがたいものである。
ところで、私の父は大正12年生まれで、私から見ても頑固で融通の利かない真面目一本やりだった。小学校の教職を勤めあげのんびりした老後を送れるようになって間もなく、癌が再発し68歳という比較的若い年齢で他界した。酒は飲めなかったが、軍隊時代に習慣になった煙草は、多いときは3箱60本を吸っていた。それが身体を蝕んだのだろうか?
早いもので父が他界して33年になる。母の一周忌もあったので、昨年11月に33回忌の供養を行った。
西嶋先生の句のとおり、父の存命中というかまだ結婚する前は「父の日」なるものがあることもあまり認識していなかったように思う。結婚し子供が生まれてから妻が父の日のプレゼントを贈っていたようだ。
我々夫婦はフルタイムで働いていたので、保育園を卒園し学齢に達した孫たちは実家の父の下で「放課後保育室」のような生活を送っていた。
父は孫たちの「学習指導」に情熱を傾けたようだったが・・・
父の時代・・・戦争に行き、戦後大陸から引き揚げてきて厳しい生活を送った大正生まれの男たち・・・父にすらなれずに死んでいった者たちを忘れまい。