建築設備実務の知識とセンスを養う!(全日本土木建築情報センター提供)

1960年創業の春日書房(全日本土木建築情報センター)提供の給排水設備・衛生設備・空調設備・電気設備に関する最新情報集。

東日本大震災後の復旧・復興工事

2012年12月08日 | 建築・建築設備最新情報
昨日、東北地方で建築設備業を営んでおられる方とお話する機会がありました。

復旧工事については、一定程度は進んでいるものの、本格的な復興工事というと「ほんとんどまったく」というのが的確な表現だ、とのことでした。

もちろん、津波の被害を受けた沿岸部と、受けなかった内陸部とで、状況は全く違うでしょうし、エリアによって様々であるとは思いますが、一般的な傾向として、お伝えでできるのではないかと思い、本ブログに書いています。

発注工事は、基本的には「地元優先」は考慮されているものの、浚渫船などの特別な作業船が必要となる港湾工事などは大手企業が受注しているようです。
また。工事種別を問わず、規模と難易度に応じて、3億円未満の工事は概ね地元業者に発注されているようです。

震災後、労務費の高騰は、よく言われていることですが、交通誘導員は、日当り5千円とか6千円であったところ、1万2千円~3千円くらいで推移している模様で、他県から採ってこようとすると、さらに2千円程度上乗せしなければならない状況だそうです。

建築設備(空調・衛生・電気の各設備)を専門に扱っている弊社としては好意的に感じましたのは、水道管の布設や市町村道の復旧工事は、しっかり地元企業に発注されている実状を生の声として改めて認識できた点です。

弊社のような建設業に関連する出版業では、景気の善し悪し・動向を敏感に感じ取れるところがあります。
最近では、東北地方のお客様から、お問い合わせやご注文を多くいただいておりますし、昨日聞いた地元の生の声も納得のいくところです。

なかでも、土工事の積算に関する本のお問い合わせが比較的多くを占めています。たしかに、建築設備の本というと、建物・施設本体内の空調・衛生・電気の各設備についての本はいろいろな出版物を見ますが、建築設備工事に付随する土工事などの積算についての本はあまり見かけません。
弊社が春日書房の編纂により1997年頃に初版を出版しました「建築設備土木工事積算ハンドブック」をお持ちの方やその本の評判をお聞きになられた方等から、その本の最新刊についてのお問い合わせに繋がっているようなのです。

そのような実状や実需を踏まえまして、「建築設備土木工事積算ハンドブック」の改訂復刻版と位置付けられるような本を企画し、発刊したいと考えております。

建築設備の土工事の積算は、国土交通省土木工事積算基準のみでは積算はできず、厚生労働省の歩掛であったり、省庁横断的な建築工事の積算基準を用いたり、多岐にわたるところ、縦割り行政の弊害なのかもしれませんが、省庁またがりの歩掛をひとつにまとめた、使い勝手の良い本がなかなかないわけです。

そうした不具合を解決した本当の意味で実用的な実務解説書を企画している次第です。

内容の詳細、販売方法等、具体的に確定いたしまたら、ご案内申し上げます。
資料をご希望の方は、下記のリンクをクリックして、全日本土木建築情報センターのフォームより、ご指示ください。
なお、資料はPDFファイルでお送りすることを予定しておりますので、電子メールのアドレスは必須入力事項です。
お名前やご住所等をお書き添えいただければ、郵送等でもご案内させていただくことが可能です。
どうぞよろしくお願いいたします。

http://form1.fc2.com/form/?id=814352


全日本土木建築情報センター
企画部











「水道土木」積算の実務必携、増刷しました!

2012年12月02日 | 建築・建築設備最新情報
~「水道土木」積算の実務必携~
・<厚生労働省>水道施設整備費国庫補助事業歩掛
・<経済産業省>工業用水道工事設計標準歩掛
の解説(計算例付)


は、別冊付録として企画し、今年初から弊社書籍をお買い上げいただいた方に、無料でお付けしておりましたところ、
大変好評をいただきまして、初刷分すべて配付し、一部の方々にはご迷惑をおかけしておりました。

ようやく増刷いたしましたので、ご案内いたします。




↓こちらもご覧ください。
http://www.zendoken.jp/newbooks_top.html

水道土木関連の予算

2012年12月02日 | 建築・建築設備最新情報
弊社の図書を執筆している研究会員との会合でのトピックスをご紹介します。

衆議院は解散し、12月16日には選挙が行われる状況下にある。
選挙の結果を待たないとわからないが、場合によっては、方向性が大きく変わる可能性を多分に含んでいることは間違いない。


平成24年度の予算の重点事項としては、

①東日本大震災からの復興
②自然エネルギー・再生可能エネルギーの活用促進
③戦略的な維持管理の実現
④水ビジネスの国際展開

を掲げているようであるが、
執行がどのようになるかは定かではない。

河川事業や道路事業は、国、都道府県、市町村と多様な事業主体があるが、例えば、下水道工事は市町村が中心となる。

下水道工事の予算については、
ア)国交省-下水道工事は、5,903百万円、
イ)国交省-社会資本整備総合交付金は、1,585,760百万円。

ア)は、前年度の約半分、イ)は、前年度の9掛け程度らしい。
イ)については、社会資本整備総合交付金を、ある意味細分化して、地域自主戦略交付金、沖縄振興一括交付金、東日本大震災復興交付金というカテゴリーも加わったそうである。

補助金で交付されていた時代には、目的と紐付きで「金」が渡され、市町村もやりやすかったが、交付金となると、地方の裁量権に基づいて使途を決められるという建前の下、各交付金毎に3~5年の事業計画を市町村で策定しなければならないという負担も増えているそうである。

今年の8月31日に「社会資本整備重点計画」が野田内閣により閣議決定され、いくつかの重点目標が掲げられたのだが、そのうち、「大規模又は広域的な災害リスクを低減させる」のもとでは、地震対策上重要な下水管渠における地震対策率を現行の34%を28年度末には70%を目指すということらしい。

これは、弊社の書籍の御愛読者様にとっては歓迎すべきことで、管きょ工事が増加することになるはずである。

但し、冒頭にも触れたとおり、今年は衆議院選挙を実施する特殊事情があるので、4月からの執行は遅れるかもしれない。

いずれにしても、御愛読者様が携わっておられる「業務」、「工事」は、より良い社会基盤の整備のためには必須なわけで、公共分野においては適量をしっかり発注してほしいと強く望みます。