ギンヨウアカシアと父の想い出

今日は、父が天に召されてから８年目。
私の父は、原因は不明のままですが、C型肝炎から、最後肝臓がんになって亡くなりました。
亡くなる数年前まで「C型肝炎のキャリア」であることすらわかっていなかったため、父はみんなに
「お酒を飲み過ぎるから」と云われ続けて、今になって思えば、かわいそうなことでした。

その父、来週６日に高校へ入学する我が家の息子を、とても可愛がってくれました。
初孫でしたし、息子が生後８ヶ月の時に、私が２ヶ月とつぜん入院することになって、突如
孫を２ヶ月預かることになり、一緒に生活した記憶も大きかったのかな～、と思います。

大阪で小学校へ入学する、と云えば、大阪まで母と一緒に、車で入学式にやってくるような父でした。

亡くなる前の年まで、何度か繰り返しガンのラジオ波照射のため入院したことがありましたが、数ヶ月前までは
休みつつも、自宅で普段通りに生活できていました。
２００２年の年末。私たちは、当時浜松に住んでいました。休みに入った孫に一日でも早く会いたい父。
年末に帰省する、とわかっているのに、クリスマス明けの２６日、孫だけを迎えに来ました。
浜松まで来てもらうのは大変、と思い、中間で、と名古屋で待ち合わせをしました。待ち合わせ場所は、東山動物園。
インターからわかりやすい場所にあり、駐車場もありますし、何より先に着いて待つ方も時間が過ごせます。
私は息子を車に乗せて東山動物園まで。先に着きました。一緒に園内へ。
そこで、花もないけれど、目にとまり印象深く映ったのが、シルバーリーフのギンヨウアカシアでした。
あまりに美しかったので、携帯で写真を撮り、名前を忘れないように携帯から自宅のパソコンに向けて、写メールをしたのでした。
その時は、あのシルバーリーフに、こんな鮮やかなお花が咲くことは、まったく知りませんでした。

待つ間に、父たちも無事に着いて、近くのファミレスへ移動して、一緒に食事をして、息子は、チャイルドシートを移した
おじいちゃんの車に乗って、元気にバイバイ、と長野へ向かっていきました。前年、小学校一年生の夏には、待ちかねている祖父母の元へ
当時住んでいた大阪、伊丹空港から、松本空港へのシングルフライトも経験しておりましたので、その時に比べれば直接ですし安心でした。

父は、名古屋から孫を連れて自宅に戻り、荷物だけ下ろすと、孫と一緒に床屋さんへ行ったそうです。
以前、帰省したときに、孫と床屋に行ったのが嬉しかったらしく、母から「お父さん、一緒に床屋へ行くって云ってたから」と
事前に髪を切りに行くのを、控えていました。大切にされた息子。先日の卒業式の時にも、一緒に行った夫と
「お父さんが元気だったら、きっと卒業式に来たね」と話したことでした。

あの年末の帰省の最中に、腹水がたまり始めて体調を崩し入院。一度は退院して自宅へ戻りましたが、翌月また入院し、それが最後の入院となりました。

父が最後の入院をした時、我が家は、今住んでいる自宅の建築中でした。
転勤が続いて、私たちに「自宅」がないことをずっと気にしていた父。
完成した家を、実際に見てもらうことはできませんでしたが、ほぼ完成状態の家を息子が案内して
それをビデオに撮影し、病室の父に見てもらいました。今は天国で見てくれているかな～。

今年も美しいミモザの花を経て、今は、桜が満開です。
見ていますか？あなたの愛した孫は、いよいよ高校生になります(^^)