ぼくが zionのくまになった訳～by くまごん

くまごんの話は、以前にも一度短くアップしました。過去記事はこちら

 

今回、結婚記念日の前に、少し詳しいSTORYを書いたので・・・アップします。

 

 

 

僕がここに来た理由

zionは小さい時に、大きな茶色のクマのぬいぐるみをもらいました。自分よりずっと大きなクマでした。
クマは毎日、一緒にベッドに入る大切な友だちでした。

zionの両親は、地方の建設会社で働いていました。

同じ会社で結婚した二人は、少しずつ貯金して、会社から小さな土地を買いました。

そこに会社の人たちが手伝ってくれて、小さな小さな家ができました。

最初は一部屋だけの小さな家でしたから、二人は、準備が出来るたびに部屋を増やして行きました。

幼稚園からひとりで帰って「ただいま！」と玄関を開けると、家の中身が半分無くなっていて、zionは泣きながら

幼稚園に走って戻ったこともありました。
子どもに、建て替えが始まることを伝えるのを忘れるほど、工事は頻繁だったのです。
つぎ足しを繰り返した家は、ちょっぴり使いにくく、ちょっぴりスリリングで、ちょっぴりヘンテコリンでした。

年月が流れ、zionが小学校５年生になった頃、建て増し、改築は限界になり、家を全部壊して、その場所に新しい家を建てることになりました。
その間１０ヶ月あまり、家族は小さなアパートに引っ越して暮らしました。

一軒家の荷物が二部屋のアパートに入るはずもなく、必要最低限の荷物以外は、父の生家に預けられました。

zionのクマも、父の生家行きになりました。

翌年の夏、家は完成して引っ越し、新しい生活が始まりました。
でも…父の生家から戻った荷物に、zionのクマがいません。何度聞いても、どこを探しても無いのに、父も母も知らないと言います。

zionは自転車に乗り、ひとりで片道1２キロの道を、父の生家までクマを探しに行きました。

勝手に、遠くまで、ひとりで、自転車に乗って出掛けたコトを怒られた上に、物置や屋根裏まで探しても、探しても、探しても、探してもクマはいませんでした。

 

 

それから、zionのクマはずっと行方不明です。

その１３年後、zionはsilvercopenと結婚することになりました。婚約中に、zionは行方不明のクマのコトをsilvercopenに話しました。

そして、僕は結婚式の２０日前、zionの誕生日に、silvercopenに連れられて、zionの新しいクマになりました。

僕の名前はくまごん。zionはくまごんと一緒にsilvercopenのお嫁さんになりました(^-^)

２０年前の１０月２４日、雨の東京、青山の教会で。