「税と社会保障の一体改革」に潜む嘘~「社会保障制度維持」は増税の口実に過ぎない~
[HRPニュースファイル159] 転載
野田首相は、内閣改造で消費税増税を含む
「社会保障と税の一体改革」について
「この国を守るため、私の政治生命をかけて一体改革をやり抜く」と
強い決意を表明し、解散・総選挙で増税に関して信を問う可能性
も示唆しています。(1/14 産経)
1月24日より開催される通常国会を前に、民主党・野田内閣は
「解散権」をチラつかせながら「税と社会保障の一体改革」に
ついての与野党での事前協議を呼びかけて来ましたが、
野党の反発が強く、不調に終わり、国会における論争の火蓋が
切られようとしています。
しかし、自民党も消費税10%を公約で掲げており、党内からも
「場合によって5、6月に話し合い解散することも十分に考え
られる」との声が出ており、党利党略の中で紆余曲折はあった
としても、消費増税が成立する可能性は少なくありません。
野田首相は「税と社会保障の一体改革」に声を張り上げ、血眼
になっていますが、その謳い文句ともなっている「消費税増税で
社会保障制度が維持できる」というのは果たして本当でしょうか?
原田泰氏(エコノミスト、大和総研顧問)は「現在60歳以上の
高齢者世帯は年金等の公的受益から社会保険料租税などの
公的負担を差し引いて『4875万円の純受益』があるのに、
将来世代は『4585万円の純損失』になる」と指摘しています。
(『WEDGE』1/19号)
このように、9千万円以上の「年金制度の世代間格差」という
大きな問題があることが、若者の年金の未納増大の要因
となっています。
年金制度は、元々は各自が老後のために備える「積み立て方式」
で、努力に応じた結果を享受する公平な制度でありました。
しかし、「積み立て方式」をやめ、現役世代の保険料や税金
から高齢者に年金を支給する「賦課方式」に変更されたこと
により、少子高齢化が進めば進むほど、若い世代の負担が
重くなり、「世代間格差」が拡大する構造となっています。
このような「世代間格差」の元凶である「賦課方式」を見直さ
ない「税と社会保障の一体改革」は今後、少子高齢化の進展に
伴い、更に「世代間格差」が拡大し、未納の増大、制度崩壊を
招く恐れがあります。
さらに「税と社会保障の一体改革」の無責任な点は、将来を
見据えていない政策・制度設計であることです。
このことについて、先述の原田泰氏は次のように述べています。
「社会保障給付費と名目GDPの比率を見ると、1970年には
『4.6%』に過ぎなかったものが、2010年には『24.6%』になって
いる。この比率は将来どうなるだろうか。
社会保障給付費と名目GDPの比率は、『2010年24.6%』から
『2055年54.0%』まで29.4%ポイント上昇する。消費税1%で
GDPの0.5%の税収であるので29.4%ポイントを0.5%で割って
『58.8%』の消費税増税が必要になる。こんな大幅な増税が
実現可能とは思えない。」(同上)
すなわち、「税と社会保障の一体改革」の方針で、
社会保障制度を維持するためには消費税10%どころの
話ではなく、将来的には消費税60%になりかねないのです。
「消費増税をしないこと」は無責任な考え方であるかの
ような論調もありますが、「消費増税によって、持続不可能な
制度を維持すること」の方が、よほど無責任な考え方です。
本当に社会保障に対して責任を持つならば、
「税金に依存する社会保障制度」を構築するのではなく、
「選択と集中」の原則に則り、必要な人にはセーフティネット
を施す一方、一律的なバラマキ型の社会保障制度は根本的
に見直すべきです。
「税と社会保障の一体改革」には、社会主義国のように
「個人が国家によって養われる」社会を現出し、その結果
、血の通った「家族の絆」を解体していきます。
その意味で、「税と社会保障の一体改革」は健全な社会を
蝕む恐れがあります。
今後、社会保障は、本人の備えと家族の助け合いを基本
とし、少子化を食い止め、超高齢化社会を支えるべく、
「家庭の価値」を見直すべきです。
そして、政府は家族の助け合いをサポートすると共に、
「選択と集中」により、確かなセーフティー・ネットを整えて
いくべきです。
(文責・小川俊介)
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