今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。
五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。
それでは五周目の第二回目、「に」「ほ」「へ」の3つです。
『に』・・・日本水仙
香り高き水仙の花を描きました。ヒガンバナ科の多年草です。ニホンスイセンの他にも、ラッパスイセンなど、色や形の違う品種がたくさんあるのですが、私はここに描いたニホンスイセンが好きです。清楚な感じがします。
全草有毒だそうです。ニラやネギ、ノビルなどと似た葉の姿から、誤食する事故が起きています。球根を玉ねぎと間違えて、という事故もあるようです。
冬から春にかけて白や黄色の花を咲かせる種がほとんどです。俳句では冬の季語になっています。
・うづたかき書物の中に水仙花 山口青邨
・むらがれる水仙の芽に荷を解かん 中村汀女
・母の居間父の墓前に水仙花 星野立子
・寄り添ふも向き合ふもあり水仙花 ずーみん
『ほ』・・・ボルボックス
緑藻の一種、ボルボックスを描きました。池や川、田などの淡水にいます。この絵のように球状の群体を作るので、肉眼でも何となく見えたりします。群体の直径は数百㎛にもなるそうです。体細胞に2本の鞭毛を持ち、くるくると回りながら移動します。和名の「オオヒゲマワリ」の由来となっている動きです。ボルボックスの語源もラテン語のVolvo(回転する)からきています。自動車のVOLVOと同じ語源でしょう。田植えの済んだ田をのぞき込んでいると、このような小さい生き物がたくさん見られます。ハングルで「삶다」(「生きる」という意味)の語幹「삶」だけを書いて「生」という名詞みたいな感じにしてみました。
「ボルボックス」も、あるいは「プランクトン」も俳句の季語ではありません。他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。
・雲の峰ボルボックスに成りました ツナみなつ
・田水ぬくしボルボックスの回るらし ずーみん
『へ』・・・ペンギン
Merry Christmasと書いてあることからも、それとわかりますが、クリスマスカードとして描いたものです。ピアノを弾いているペンギン、氷のスツールに座っています。立っている3羽のペンギンたちはピアノを聞いているのか、ピアノに合わせて歌っているのか、上空には雪の結晶をかたどった音符が浮かび、遠景に氷の山、ペンギンたちも氷山(流氷?)に乗っているようです。
ペンギンは俳句の季語になっていませんので、他の季語と取り合わせて一句を成さねばなりません。
・寒水に翔ぶペンギンの速さかな 遊雀
・ペンギンの一羽おくれし春の月 有馬 朗人
・ペンギンの仰角は9°鰯雲 あたなごっち
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