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130916 父との時間

2013-09-16 | 父との時間
台風18号が午前に愛知県豊橋市へ上陸。明け方から朝にかけて荒れ、昼過ぎにはその中心が秩父あたりにまで到達したが、その頃の東京は風が吹くのみだった。

朝6時半の吸引は、ネブライザーもしくは点滴の量が多かったからか、かなりズルズルでナカナカ終わりがない感じだった。昨日と比べ、父の反応はやや鈍いと感じた。

昼前、休日+台風にもかかわらず、いつもの看護師Nさんが来宅してくれた。昨日、父が車椅子に座った話をしたら喜んでくれて、肺のためにも良いとのことだった。確かに自発的な咳もここ数日覚束なかったけれど、昨夜と今朝は咳が出ていた。重力に抗うことで正常に機能している部分もあるのだろうから、たまには車椅子も良いだろうし、退院直後にNさんが、なるべく起こしてあげて、と言っていた意味がやっと分かった。

Nさんの検診によれば、父の状態は変わらず良好、酸素量も91~93でそこそこ。浣腸によって小指の先ほどのツブが出たそうで、点滴のみの摂取でも体内の細胞レベルにまで行き渡り、代謝が行われてその老廃物があるということに、あらためて驚いた。

夕方の吸引は朝と同様にズルズルで、チューブを入れる時は父も少々抵抗していたけれど、吸引途中ではあくびも出て、心地良い様子だった。点滴の量を少し絞ってみた。

夜の吸引時に点滴漏れがあり、明日の午前に医師が来ることを見越し、一度外しておこうと、母と共に外した。チューブを押さえてあるテープを剥がす時が、父の薄くなった皮膚にとっては相当痛いらしく、可哀想なくらいにハッキリと、痛い!を連発していた。限りなく薄くなった父の皮膚は、肉体としての存在をギリギリでカバーしているかのようだった。

以前Nさんが言っていたことは母の「介護の心得」にも通じるのだが、褥瘡(じょくそう)をなるべく作らないようにするということだった。それは皮膚が破れてしまうことでそこから感染症になるためだった。つまり人間は菌というもので日々バランスを取りながらも、最終的には菌によってその肉体の使命を終える、そのことに世界の構成、人間の存在、そしてその危うさと不思議さを思うのだった。

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