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フェニキア人と「アルファベット」

2024-03-27 19:18:00 | 世界史

【フェニキア人】 

 フェニキア人は、セム系の民族で、旧約聖書では「カナン人」と呼ばれています。カナン人とは、ギリシャ語の呼び方です。フェニキアという名前の由来は「紫色」だとされています。紫色は、その地方特産の染料の色のことです。フェニキア人は、もともとパレスチナ「現在のレバノン」地方で暮していました。この地域は、旧約聖書に出てくる「約束の地」のことです。約束の地は「乳と蜜が流れる地」と言われていました。旧約聖書では、イスラエルの英雄サムソンがこの地を征服したとされています。歴史的には、フェニキアは、エジプトに破れて植民化させられています、その時、エジプトから重税を課せられました。

 【交易】

 フェニキア人は、もともと耕作に適さない土地に住んでいました。そのため海洋に出たとされています。きわめて先進的な海洋民族であり、船を巧みに操る航海術を持っていました。フェニキア人は、地中海での商取引を生業とする世界初の交易商人だったとされています。その優れた航海技術によって、地中海の貿易をほぼ独占しました。それが可能だったのは、商業の才能もあったからです。フェニキア人は、貿易によって莫大な富を築きました。 

 フェニキア人の船は、レバノン杉を材料としています。レバノン杉は、耐久性があり、良い香りもしました。しかし、あまりに伐採し過ぎたため、レバノン杉は、現在ごく一部の地域にしかありません。フェニキア人は、交易によって広大な貿易網を築き、その過程で、拠点となる植民市を建設していきました。有名な植民市の一つが、カルタゴです。カルタゴは、後にローマ帝国と覇権を争いました。その現在の位置は、チュニジアです。の交易することで、各地にオリエント文明が伝わったので、フェニキア人は、ヨーロッパ文明の父と言われました。

 【アルファベット】 

 貿易を支配するには、情報の伝達が欠かせません。そのために発展させたのが文字です。フェニキア語「ポエニ語」は、アルファベットやギリシャ語など、あらゆる欧州文字の原型となりました。ちなみにギリシャ文字のアルファとベータが、アルファベットの語源だとされています。フェニキア語は、エジプトの象形文字や楔形文字を発展させたものです。その文字は、表音文字に改良されました。なぜなら交易をするためには、簡略な表音文字の方が効率的だったからです。現在でも、フェニキア人の表音文字を用いた記録が残っています。 

 【職人】

 フェニキア人は、高度な技術を持つ職人だったとされます。また優れた発明家でもありました。フェニキア人が発明したものは、文字だけではありません。発明されたものには、小回りがきく二頭立ての戦車などがあります。また、フェニキア人は「ガラス細工」「象牙の彫刻」「木工」「繊維の染色」などの優れた職人でもありました。その技術によって、イスラエルのソロモン王の神殿にも雇われたとされています。





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