お兄ちゃん日記

2017年9月14日、今日からこのブログでやってみることにします。

「事実」と「真実」の違いを学ぶ

2024-05-12 04:23:16 | 日記
「事実」と「真実」の違いを学ぶ


「事実」と「真実」との違いは、「内容が客観的か主観的か」という点にあると言われる。
 「事実」は「実際に起こった事柄」や「現実に存在する事柄」を表す。
そして常に一つです。 
一方「真実」は「事実に対する嘘偽りのない解釈」を表す。
よって人によって異なる場合があります。
「事実」であっても「真実」でない場合や、「真実」であっても「事実」でない場合がある。
しかし事実と真実の違いは、単に客観的か主観的かというのは、いささか本質を欠いた解釈と言えます。
事実と真実の本質的な違いは用法です。 
言葉について欠かせないのは、用法を考えることです。
なぜなら、言葉が表す内実は、1つとは限らないからです。
言葉には、主に2つの内実があり、それは意味と意義です。 
「意味」とは、その言葉が指し示す対象(物事)を表します。
一方、「意義」とは、その言葉が背景や文脈において持つ内容を表します。
まずは、真実の意味と意義について考えます。
真実の意味は、辞書的意味で「 いつわりのない本当のこと」という抽象的な概念を指し示すものです。
問題は意義です。
意義とは、その言葉が用いられる背景や文脈によって規定される言葉の内実です。
つまり事実と真実の違いは、そこに客観的に判断することが難しい主観的な要素が含まれているかいないかというところにあります。
「AがBの消しゴムをつかんで、持っていった」という記述を考えます。
これは事実についての記述です。
これを真実についての記述として捉えるのは難しいです。
何故なら、ここには主観的な判断の入り込む余地が残されていないからです。しかし、次のような文の場合は、真実かどうかを問うことができます。
「AがBの消しゴムを盗むために持っていった」
この場合、盗むという観念的な行為に、当事者であるBの主観的な意識が入る余地があります。
もちろん、盗むつもりで持っていったなら、この記述内容は真実ということになります。
しかし、借りるつもりで持っていったとしたら、これは真実とは言えなくなります。
この記述には、「AがBの消しゴムを持っていった」という事実としての記述に、「盗むつもり」だったのか、「借りるつもり」だったのかという、完全には客観的に判断するのが困難な主観的要素が含まれていることがわかります。
その判断に対して、事実と一致すれば、それは真実として判断されることになるのです。
事実と真実の本当の意味を知るためには、2つの言葉の用法的観点、意味と意義の違いについて構造的におさえておく必要があります。
事実は、 世界で実際にある、または起こっている事柄、あるいは、 世界のありのままの記述内容です。
そこに、事実として表される事柄を判断する主観的要素が含まれるとき、それが 事実と一致するかどうかの真偽判定の1つの結果が真実なのです。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする