独白

全くの独白

トリチウムを海へ

2020-10-29 23:12:08 | 日記

国はトリチウムを含む処理水を海洋に放出する事を、ほぼ決めたらしい。漁師諸君は厭がって居る。故意でなくとも厭がらせれば結果としては厭がらせである。国策として調教を図って、結局使いこなせなかった化け物の暴れた跡の始末の仕方を、長日月を費やして検討し続けた挙句に、もう「先送りは出来ない」と云うのである。とんだ鉄面皮である。漁師にとっては、大迷惑に次ぐ大迷惑である。「どこまで困らせれば気が済むんだ、知った事か」と云いたくもなろう。

工事や審査の為に、実行は2年先になるという事である。どうせそれだけ掛かるなら、放出ではなく、タンカーに積み込む為の設備を作って、遥かな沖で捨てて来れば良かろう。国内でも国外でも実績があるらしいし、大阪などでは、知事も市長も、大阪湾で受け入れるという、思い切った発言をしている。併しそれでは、大阪の漁師諸君が、黙っては居まい。

だからといって沖合や公海で捨てようとすれば、自国では遣って居乍ら反対する国もあろう。政府の活躍すべき時である。2年の間に、ごねてでも買収してでも、説得するが良かろう。今の我が国は、行儀が良過ぎる。

尖閣や大和堆で、中国や北朝鮮の漁船に放水するのも好かろう。我が国の漁師へのせめての罪滅ぼしにもなる。あの国々は、神経質に国の内外を見ているから、放水してくる船に載って居るのがトリチウム水である事を知って居て、盗人猛々しく文句を言って来るに違いない。不知を切り通せば良いのである。それでも「あの辺りの魚は、トリチウムまみれだ」との風評が流布すれば、却って好都合である。外国の漁船は現金である。掌を返して見切りをつけて、寄り付かなくなる事であろう。すっかり元の木阿弥に為り下がってしまったソ連的ロシアや、中国、北朝鮮、韓国にも、学ぶべき処が、此の辺りに就いてはある。それは、したたかさである。

同盟国の領袖の動静を探り、盗聴迄する米国にも学ぶべきである。又米国は遣って居て、欧州諸国は遣って居ないというのは、夢物語であろう。私も個人的には、法や規則や作法は遵守したい。併し世界にそんなものは無い。あってもそれに則って統べる者が居ない。即ち実態として世界に法は無い。

只、法があれば罪人であるべき無頼漢が、大手を振って跋扈して居るばかりである。国外に限らず国内でも、物事は所詮は力尽でしか動かないものかも知れない。力を持った悪党と、戦争に依らずして戦い勝利しようとする時、綺麗事だけでは済まない。法の番人の象徴的な道具、天秤がものを云う。掛けてみて清々しい潔さよりも、泥臭い卑しさが重ければ、それを採るしか無いのかも知れない。