ストリートビューで畑に行くと、主人が今も以前と同じ姿で居る。
いつも私が洗濯していた作業着を着て以前と同じ仕草で、傍らに車を止めて畑に居る。刈り込んだ土手を彼岸花が赤く染めて・・、「彼岸花が咲くまでに草刈りをしたからきれいやろ」って自慢をした。
私はたいして気にも留めずに「はあ・・」って聞き流していた。
マウスを使って家まで帰る。それは余計に胸が詰まることなのに・・、景色が同じに見えても、すべては変わってしまったことに気づくばかりなのだ。
だから、出来る範囲で同じではなくしてみたけれど・・せんないことだ。
長男たちが帰郷していた。孫のさくらは背が伸びて「まだまだ・・、負けてへん」私は伸びもしない背伸びで競り合ったが、集合写真に証拠がばっちり写っていて、次男が「さくらちゃんは大きくなったなぁ」と言ったので、確認すると・・負けだった。
小3のあかりには「おばあちゃんの意地悪」と言われる。色々もめることを言ったものだから、その理由は忘れたけれど・・。
彼女は可愛い顔をして言葉が鋭いので・・、ついつい大人げなく反抗したくなってしまう。後で、たまにしか会えないのに「愚かだ・・」と後悔することになる。でも会えばきっとまた同じ事だろう・・。男の子が可愛い女の子を弄る気持ちが理解できるが・・小学生か。
息子と四方山話をしていると、あかりが部屋に入って来た。
「親子でしみじみ話して居るのは、いいものですね。」と言って(言い捨てて?)すぐに出て行った。
その真意は・・、直後にやって来て息子の背中にぴったりと貼り付き、父ちゃん守りの姿勢を取っていたことでわかった。「焼いてやんの。」
息子は気づかない振りをして話している。私も話し続けて・・女の戦争に勝った!
美大卒でプロの嫁さんに絵を習った。でもこれはどうやら医療方面の作業らしい。
初めは、頑固な性格が邪魔で素直になれずにちょっとイライラした。作業が納得ができずに「めんどくさ・・」って思ったから・・私は丸さえ満足に書けないのだ。
それでもやってみようとしたのは、新しいことに興味もあったから・・。
彼女は「輪郭にこだわらなくてもいいから、思ったようにどんどん色を塗っていけばいいのよ」「おかあちゃんリンゴそんな色?よく色を見つけて・・赤だけで色が出る?」などと面倒臭いことを言うから、ますますイライラして行き詰まって、ほとんどやけくそになってぐりぐり塗りたくって、形を切り取りそれなりに終わった。
しかし・・翌日になんとなく彼女の言って居たことが分かってきたのだ。私の脳の仕組みはじわっとゆっくりで、納得に時間が必要なのだ。
「ひょっとしたら面白いのかも・・」とやってみたくなってきた。
塗り絵の本を見た嫁さんは、「きれいにできている」と言った。普通に常識的にと・・「いやいや、私は弾けたつもりで塗ったのだけれど」と訴えたけれど認められなかった。まあ、自分でもつまらなくなっていたのだ。
そこから脱出できるのかも・・。
一週間繰り上げて休暇を取って来た彼らは、昨日帰って行ったけれど、今朝紫玉葱を出してきて描いてみた。大雑把な輪郭でよい。よく見て色を探し出して塗り重ねて行く。「真っ黒になってしまってもかまわない」と言って居た。思い切って気づいた色を塗っていく。カランダッシュの水彩クレヨンは、古いものなのに良く溶け込んで油絵の具のように混ざるから、重ね塗りがとても楽である。でもハイライトの白はきれいに出る。
一昨日のリンゴを書いた時は抵抗があったことが、今日は完全に楽しんでいた。失敗の心配のない自由さがわかった。私の脳が受け入れてくれたので、塗り絵とはひと味もふた味も違う楽しみが出来た。
次男は休暇中なので、布団を干したり洗濯なども手伝ってくれてとても楽をさせてもらっている。彼らはこまめに家のことを手伝ってくれる。
何しろこの暑さ続きは異常で、私は太陽の下に出たくないといじけているのだ。今は生きているだけで精一杯、遊ぶことは別だけれど・・。
主人は私に成長が面白く楽しい孫娘たちと、優しい息子たちと、興味津々の嫁さんを残してくれて写真の中で満足そうに笑っている。
「なあ、私は幸せやで。イエスさまのお守りの中で楽しんでいるよ。」
それでも・・ストリートビューはひとりでは見ないだろう・・。
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ムベ
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