道路に墜落した1羽は、羽を下にして不自然な様子で身動きもしない。大丈夫かなぁ・・気が気ではなくそろそろと近づいてみると、雛は恐れる様子もなく、小さな小さな黒い瞳でじっと見つめてくる。くちばしはしっかりとがっているけれど、尾は小骨のように頼りなく短い。これじゃ思うようには飛べないだろう・・。
みんなで取り囲むようにして見ていると、やかましく鳴いていた親鳥の姿が消えた。これじゃいけないと遠巻きに散って見ていると、やはり父ちゃんと母ちゃんが戻ってきた、くちばしに餌をくわえている。彼らは何時間もてんでに散った雛を呼んでいる。
もう一度雛の様子を見に寄ったとき、サッと低空を飛んできた親鳥が、アッという間に雛を伴って飛んだ。「飛べた、飛べた」私たちの歓声を後にして姿を消し、再び親鳥だけで戻ってきた。まだ巣で躊躇している雛は、飛んだと思っても不器用に元に戻ってしまう。
親鳥の大変さを思わずにはいられない。彼らはちゃんと飛べるようになったから、巣立ったのではなく、見切り発車のように発つのだろうか・・。風の強い日をなぜ選ぶのかと思うけれど、のっぴきならない彼らのスケジュールというものがあるのかなぁ・・、それとも梅雨の晴れ間、風の強さも都合が良く、これでもグットタイミングなのか?雛には飛ばざるを得ないから飛べるようになるということなのだろう。
今夜は何処で寝ているのだろう。雛たちはちゃんと揃っているのだろうか・・。
驚くほど忍耐強く、勇敢に細やかに世話をする小鳥の夫婦には、いつも感心もし、何かを教わるようにも思う。命のプログラムに従ってのことだろうけれど、巣立ちは感動的で1日中他のことが手につかずつい付き合ってしまう。
とうぶん、あのセキレイ夫婦は力を合わせて、頼りない子ども達を必死で仕込んでいくのだろう。
お隣のご主人「『おおきに』のひと言もないやろうになぁ」
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