石ころ

眠れぬ夜に




 夏の日がやっと傾いて、ほっと家族で食卓を囲むその頃、外では先ほどまでの話し声も絶えて、シンと静まりかえった空気の中に遠くの方でカナカナカナカナ・・ヒグラシゼミの鳴く声。
煮えるような暑さの一日から解放されて、命を喜ぶように鳴いている。


少し涼しくなったのに深夜過ぎても寝付けなくて・・、それというのもラジオで金子みすゞの歌を聞いてしまったから。
私には彼女はしんどい。その詩を聞くと頭の中から消えなくなってしまう。心をえぐるような優しさはしんどい。

 草木も眠る丑三つ時・・布団で寝返りを繰り返すことにも飽きて、起き出しpcのスイッチを入れる。所在なくあちらこちらとクリックしては眺めて・・、そうして自分のブログをいじっている時、「アクセスランキングトータル閲覧数(PV)000000なんてのを見つけた。

0の前に0しかないそんな数があるのって・・、でもよく見ると「339900」だった。朦朧とした目には全部0に見えたのだ。
他人が見れば怖いだろうけれど、真夜中に老女が一人で笑った。それでもなんだか面白い数字の発見だった。

それから・・田辺聖子のエッセイを少し読んで布団に戻り、空も白む頃になってやっと眠気がやってきた。
今夜は爆睡できるかも、楽しみだ・・。

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