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石ころ

コロコロ・・

今日はなんだか体が重く、何時ものようにと走り出しても足が前に進まないので、青く澄んだ空や、桜の梢のプックリとした芽をながめながら歩くことにした。
枯れ野にもそれなりに緑はあって、種々に地面に張り付くように葉を伸ばし、寒風に耐えて真冬の気まぐれな日差しを精一杯浴びている。

小鳥の声もなく、人の声もしない・・わずかに遠くのチェンソーの音が時々漏れてくる・・冬の野は静かで誰に出会うこともない。だから広い道を独り占めしてのびのびと歩く。走っている時は余裕が無くて、ただただ、前に進んで来たのだけれど・・

 畑によって夕食用にめぼしい野菜はないかと見回す。
タンポポの様に地面一杯に葉を広げているターサイを2株引き抜いて、葱を一株、根元で千切らないように「よ~いしょ」と引き抜いて、最後に丸大根の葉っぱを掴んで引き抜た。

大根に付いている黒い泥をジャブジャブと洗うと、真っ白なツルツルお肌が光っていた。まな板代わりの切り株に乗せて、葉っぱをトンと切り落とした。
そこまではなんら問題はなかったのだけれど、切り落とされた大根はあまりに見事にまん丸だったので・・。

切り株からコロンと落ちてころりと転がり出した。伸ばした手をすり抜けて、いよいよコロコロ弾みをつけて、畦の間をどこまでも転がって行く。
待て待てと慌てて追いかけると、此処までおいでとからかうように、畑の端までコロコロ・・転がって、アッという間に4メートルも下の道路の真ん中に弾んで落ちて、派手に砕けてしまった。

急いで後を追うけれど私は真っ直ぐには降りられず、回り道をしている間に滅多に通らない車が走って来た。あーぁ、追っかけてきたけど無駄だったかと車を見つめていると、運転している男性は笑いながらハンドルを右に左にと切って、大根を避けてゆっくりと通り過ぎて行って下さった。三つに割れた大根は泥が少しついていたけれど、食べるにそれほど問題はなさそうなので大切に拾い集めた。

帰って痛々しい大根の話をすると、有休を取って居た息子も主人も大笑い。
丁寧に洗って大根は牛肉と一緒にストーブの上でコトコトと煮て、緑のターサイを添えて鮭のムニエルと、野菜たっぷりの豚汁。大根の若い葉っぱをサッと茹でて細かく刻み、緑鮮やかな菜飯というメニューとなった。
コロコロ大根はとても柔らかくて、少しも残さずすっかり食べてしまった・・とさ。

写真はトラツグミ見つけられるかな?

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