映画感想(ネタバレもあったり)

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映画『種をまく人』10歳の少女の罪とは?

2019-09-29 | 映画感想

映画『種をまく人』






『種をまく人』というタイトルはファン・ゴッホの名画に由来しているとのことです。

主人公を演じた岸建太朗さんの風貌もかなりゴッホチックですし
ゴッホの一番有名な作品である〝ひまわり〟も、この映画で重要なモチーフとなっています。

改めてファン・ゴッホの絵画『種をまく人』を見ると、
種をまく時期なわけですから季節は秋で、畑は褪せた枯れた色で覆われてるはずなんですが
この絵は眩しいほどに明るい。希望に満ち溢れた世界です。
この畑を黄金色の麦でいっぱいにしてやる!というほとんど怒りに近い希望を感じます。

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映画『種をまく人』の主人公もひまわりの種をまきます。キレイな石を拾ったりもするんですが、思うような結果が得られなかったので、ひまわりの種をまきます。
いつか全開に咲いたひまわりを見て、少しでも元気になってもらえたらと、多分そう思いながらまきます。


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四コマ映画『種をまく人』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2364





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だいぶ重い話ですし、壮絶な喪失感に襲われるので、たまらんのですが、、、まあね、、どんな人生にでも起こりうることですし、悲しい事件・事故は毎日ニュースで見聞きします。

「生きてるのがキツイ、いっそのこと!」と思ってしまう場面も人生には多いですが、、そういう窮地に立たされた人間に対して、この映画はとても優しい。
「明日があるさ!頑張れ!」なんて無責任なことはけして言ってきません。美しいラストシーンを見りゃ、全部伝わってきます。


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この映画にはいろんなタイプの人間や問題が登場します。

障がい、きょうだい児、毒親、独善的な教師、差別、偏見、贖罪などなど

観る人によってスポットを当てる箇所が違うと思いますが、
きょうだい児について描いていることがとても特徴的だと思いました。

きょうだい児とは「障害児の兄弟姉妹」のこと。
親や周囲はどうしても障害を持った子の方に気を回してしまって健常者の子にはあまり注目できない。

子どもであることには変わらず、未発達なんだけど、親に負担をかけないように色々と我慢をしたり、良い子になることを課せられます。

この映画でも、主人公の知恵ちゃんに対してお母さんは「ちゃんと妹の世話をしなさい!お姉さんなんだからわがまま言わないで!」となかなか厳しく、知恵ちゃんが「良い子」であることが前提で家庭の幸せが保たれています。

この辛さを説明ゼリフなしで観客に伝えているのが、すごいところですね。「あ〜、こんな気持ちになるんだ…」と観客はすぐに知恵ちゃんの気持ちに寄り添うことができます。


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お母さん自身もだいぶ追い込まれてますので、ホラー級の目ヂカラで攻めてきてなかなかの迫力。。
このままだとこのお母さんが一人で悪役になりそうなところを、
このお母さんのお母さん(つまり祖母)を描くことで、問題を単純化させませんでした。

この祖母は、まぁ毒親ですね。娘を自分の管理下においておきたい。

それによってお母さんは、自分の家庭を築いているのにも関わらず、母の目から逃れられない。
母親に叱られないような家庭を築かなきゃ!という重圧と戦っているようでした。


独善的な教師も恐ろしいですね。。ひまわりの絵を頼むシーンなんて。。


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かなりの情報量なのですが、極力説明ゼリフを入れずに、演技と演出で伝えています。
これが映画です。

竹内洋介監督、これが長編映画デビュー作というのが信じられません。。
相当思い切ったこともするし、繊細な演出もするし。。


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色々長々と書きましたが、この映画の大事件については一切書いておりませんのでご安心を!




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四コマ映画『種をまく人』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2364














『種をまく人』



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