ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

七福 @岐阜県中津川市

2023年10月24日 | 岐阜県(東濃・老舗)

「栗きんとん」で全国的に有名になった岐阜県中津川市。昔からちょくちょくいただいているのでほとんどの店の品を食べていると思うが、しかるべき店で買えば正直どこのも特にハズレなんか無い(自分で作っても意外と簡単で旨い)。中津川駅横の「にぎわい特産館」には14店舗の品を詰め合わせた「栗きんとんめぐり」なる便利なのも売っているが、それではつまらないのでやはり実店舗を訪れたいもの。今回は初訪の「七福」へ。創業は昭和51年(1976)と若いが、10年程前からは何と自社農園で栗を栽培し始めたというから凄い(中津川の栗きんとんは地元産だけでは賄い切れず九州産の栗も使っているのは有名)。6つ包んでもらった。

老母宅と自宅に持ち帰り、いただく。やや小さめのフォルムの「栗きんとん」。最近のは昔と比べてどこもやや小さめに感じるが、自分の思い出補正が入っているだろうか。口に入れるときめ細やかな口当たり。ほんの少し粒感もあるが全体的に滑らか。これも旨いなァ。多分作られたばかりというのもあるのだろうが、しっとりとして風味もしっかり味わえる。熱いお茶を淹れていただいた。(勘定は¥1,630)

 


 

↓ 足を伸ばして「落合宿本陣」(建築詳細不明)を見学。調べて訪れた訳ではなかったがちょうど無料公開中だったので中に入ることも出来た。本陣跡って建物が残っていることが稀だが、こちらは県内唯一そのままの建物が残っているのだとか。部分によっては200年も経っているらしい。もちろん老朽化が進んでいるので市が買い上げて補修を続けているのだそう。

 

 

 

↓ すぐ近くにある「上の上田屋・上田家住宅」(明治元年頃建造、のち改修)。土蔵のある町家。現在は何かクラフト系のショップになっているようだが中を覗いても誰も居ない様子。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 


 

 

七福

岐阜県中津川市中津川3022-18 

 

( 中津川 なかつがわ しちふく 和菓子 くりきんとん 落合宿 本陣跡 井口家住宅 工房「LABORATORY」 ラボラトリー 国登録有形文化財 上の上田屋上田家住宅 )

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平和 @岐阜県中津川市

2023年10月15日 | 岐阜県(東濃・老舗)

まだまだ暑かった9月の初め、車で中津川までドライブ。行き当たりばったりで八百津方面から恵那市に入って中津川方面へ。しっかり計画していた訳ではなかったが、途中たまたま「坂折棚田」を通ったら田んぼが黄金色に輝いていた。素晴らしい景色に何だか得した気分。

中津川駅前の市営駐車場に車を停めて向かったのは駅前のビルにある食堂「平和」。創業は昭和21年(1946)だとのこと。店のHPに当時の駅前の写真が載っていたが賑やかなこと。今の日本が下り坂にあるのがはっきり分かる…。店内はテーブル席が4つ、小上がり席が3つ。2階にも席があるみたい。いかにも駅前の食堂って感じ。ご高齢の方とばかり思っていたら代替わりしているのか思ったより若い夫婦でやっていらっしゃった。品書きの種類はそう多くないが、駅前なので酒類といくつかの酒肴がある。いいなァ…。快活な若女将にお願いしたのは「カツ丼 汁付」。

しばらくして「カツ丼」が供された。ここ東濃地方は日本でも屈指のカツ丼亜種が点在する地域なのでどんなのが出てくるかとワクワクしたが、カツ煮タイプの(全国的には)オーソドックスなもの。しば漬け、たくあんと味噌汁が付いている。煮込まれたカツは薄めで丼物に適したサイズ。つゆは甘過ぎずいい感じ。旨い。最初はちょっとつゆが多めかなと思っていたが、食べ進むうちにご飯に吸われいい具合になった。あっという間に平らげて勘定してもらう。「根の上そば」もあることだし、中津川に電車で来られないかな。そしたらここで一杯も。(勘定は¥830)

 


 

↓ 快晴の空の下、黄金色になった田んぼが美しい「坂折棚田。平野部はまだ夏真っ盛りだが、この辺りはもうすぐ稲刈りだろうか。

 

 


 

食事処 平和

岐阜県中津川市太田町2-1-11 再開発ビルA2

 

( 中津川 なかつがわ 中津川駅 へいわ 平和食堂 食堂 麺類食堂 大衆食堂 かつ丼 棚田 さかおりたなだ )

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港屋 @岐阜県多治見市

2023年05月16日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県多治見市の笠原町方面に行った際、妻に桜餅を買ってきてと言われていたことを思い出して、その場で調べて伺ったのは滝呂町にある「港屋」。創業は昭和25年(1950)だとのこと。店は交通量の多い道路から中に入ったところにあった。場所柄一見では知り難いが立派な店構え。地元の人達御用達の店なんだろう。沢山の菓子がショーケースに並べられていたが、春らしいものをと(訪問3月)、「さくら餅」「花見団子」「苺大福」、そして「みなと」という菓子。老母の分も買い足し、愛想の良い女将さんが箱に入れてくれたのを持ち帰った。

「さくら餅」はひとつひとつ透明なケースに入っている。だからかしっとりとしたままで香りも保ったまま。小さい頃はこの独特の香りが苦手だったが今では好んで食べるようになった。「花見団子」はさくら、白、よもぎ、の3色。「苺大福」は桃色の羽二重餅で包まれていてやや小さめ。軟らかい餅の中には苺の粒とつぶ餡。酸味と甘味が同居して旨い。”いちご大福”って自分の小さい頃には無かった菓子だが今やどの和菓子屋にもある。考えた人は天才だナ。店名を冠した「みなと」はまだら模様のふわふわのスポンジ皮。中のこし餡には栗の粒が混じっている。洋菓子のような口当たりだが、中はしっかりと和の風味。これも旨かった。(勘定は¥2,190)

 


 

↓ 本町オリベストリートにある陶都創造館の隣にある「千華咲庵(元・小林記念館)」(建築詳細不明)が公開されていた。古い倉の中には明治から昭和初期の雛人形が展示してあった(訪問3月)。

 

 

 


 

 

御菓子処 港屋

岐阜県多治見市滝呂町1-70

 

( 多治見 たじみ たきろちょう みなとや 和菓子 桜餅 さくらもち いちご大福 花見だんご )

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ひかり (4) @岐阜県恵那市

2022年10月30日 | 岐阜県(東濃・老舗)

妻と息子とドライブで棚田を観た後に昼食を摂る為に恵那市へ。駅の横の市営駐車場に車を停め、歩いて向かったのは食事処「ひかり」。店に到着すると入場を制限している旨の貼紙があった。その前に先客が居たので後ろに並んで待つ。少し経って店内から呼ばれ中へ。もちろん満席の盛況ぶりだ。妻はこの食堂がモデルになったというNHKの朝ドラを観ていたので、そのポスターを壁に見付けて感慨深げ(といってもドラマの食堂とは全然似ていないらしいが)。土間のテーブル席に腰掛けメニューを眺める。お願いしたのは自分が「かつ丼」、妻が「飛騨牛丼」、息子は「ロースカツ定食」のごはん大盛。

しばらくして運ばれた「かつ丼」は砥部焼の蓋付きの丼に盛られている。蓋を取ると中はとじ玉子後のせタイプのかつ丼だった。かつがデカい。びっしり一面に敷き詰められている。早速メニューに”伝統の味”とあった「かつ丼」に箸を付ける。とじ玉子には玉ねぎが使ってあり、やや甘めの味加減のつゆ。玉ねぎは軽く火を入れてあるだけのようでシャクシャクとした歯触りが残っていて、玉子にはまだとろっとした部分も残っていていい感じ。旨い。ワシワシと喰らっていく。妻の「飛騨牛丼」は丼といっても重箱に盛られていて、温泉玉子と紅生姜が添えられている。少しもらったが、甘いすき焼き風の味付け。息子の「ロースカツ定食」は、これまたかつがデカい。平皿からはみ出るサイズ。そして分厚い。ご飯も丼に山盛り。この店にこんながっつり傾向があったとは。さして大食いでない息子は食べる前から怯んでいる。結局、2切れ程こちらに回ってきたが、意外やさらっとしたデミグラスソースがかかっていてなかなかいい感じ。息子も何とか完食。3人とも満腹にしてもらって店を出た。(勘定知らず)

以前の記事はこちら (1)(2)(3

 

 

和洋食めん処 お食事処 ひかり (ひかり食堂)

岐阜県恵那市大井町251

 

( 恵那 えな ひかり食堂 ひかり 大衆食堂 麺類食堂 洋食 かつ丼 亜種 連続テレビ小説「半分、青い。」 つくし食堂 大盛 デカ盛 )

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マルコ醸造 @岐阜県恵那市

2022年07月29日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県恵那市明知町の日本大正村を散策後、帰路途中で寄ったのは創業明治31年(1898)という「マルコ醸造株式会社」。以前何かの記事でここの醤油が紹介されていて、機会があればとブックマークしていた。でも実は場所も把握しておらず、店の名前さえ忘れていたのでバイクで1度通り過ぎ、あれ?ここ…と引き返した次第。道路を挟んだ所に醸造所と思われる煙突付きの建物がある。店の中には様々なタイプの醤油や調味料と食材が並んでいた。購入したのは「たまり風・長熟弐年醤油」の150ml瓶と「菊芋お漬物・粕漬」(写真下2枚)。

 

「長熟弐年醤油」は、まず刺身で使ってみた。いただいた刺身はイサキ、それにスルメイカ。通常の醤油より使用量を控えめにとあったのでそのように使ってみる。色は明らかに濃く、とろみこそあまり無いがそれこそ”たまり醤油”のよう。商品名は”弐年”だが、実際は3年以上熟成してあるとのこと。東海地方では最近こそ廃れたが、たまり醤油を”刺身醤油”と称して日常使用する習慣があるので(自分の父親もそうだった)全く違和感は無いが、そうでない人にはかなり濃く感じるだろう。普通の醤油と並べて味わいの違いを楽しんでみる。「菊芋お漬物」は東濃地方の酒屋ではよく見る商品。特産だったりするのだろうか。自分にはあまり馴染みのない食材なので、今まで口にしたことはないと思うが、芋なので軟らかい食感かと思いきやシャキシャキの口当たり。粕漬けなので味の方向は”守口漬”のような感じ。甘辛い味の蒲焼なんかの口直しにぴったりだろう。なんて言いつつ結局日本酒のつまみに薄くスライスしてそのままチビチビと食べて大方消費してしまった。(勘定は醤油¥500、漬物¥450)

 

 


 

↓ 日本大正村で観た他の建物。以前にも訪れた平成初めまで開業していたという元産婦人科の「旧・大塩医院(現・恵那市役所 明智振興事務所明智回想法センター)」(明治43年・1910・建造)。前にも思ったが、玄関先の無粋な案内板を端に寄せといてくれないかな(笑)。

 

↓ 屋根上の文字看板が撤去され、頂部が修復された「旧・保母歯科醫院」(昭和初期頃建造)。以前の近代建築らしさこそ減少してしまったが、家屋として維持されていくということなのだろう。

 

 

↓ 「日本大正村役場(旧・明知町役場)」に向かうなだらかな坂道(大正路地と名付けられているよう)。

↓ 「日本大正村役場(旧・明知町役場)」(明治39年・1906・建造 ※国登録有形文化財)。ん?玄関口がえらく濃い青色で塗り直されているがどうしてこうなった? 確かに前も壁面とは違う青色だったが…。史実でもこうだったのかな。

 

 

↓ 坂の途中にある「旧・町営発電所電気事業部)」(昭和初期頃建造)。以前は「大正時計店」として修理や展示などを行っていたはずだが看板が取り外されていた。

 

↓ アジア雑貨の店「布花」(建築詳細不明)。ここも瓦屋根に下見板張りで明るいパステル色で塗られ、往時の雰囲気を残している。

 

↓ 更になだらかな坂を下りた径も両脇に風情のある蔵が並んでいて素晴らしい雰囲気。雨が降って濡れてもいいだろうナ。

 


 

 

マルコ醸造株式会社

岐阜県恵那市明智町732-1

 

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アミー (2) @岐阜県恵那市

2022年07月24日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県恵那市の明知町にある「日本大正村」を散策。以前にも訪れて、その渋い佇まいを味わった元旅館付きのカフェー「アミー」の前を通るとまだ営業が続いていた。ただし今回もカラオケの音が漏れ聴こえてくる。外にはまだ「パイオニア・レーザーカラオケ」の看板があるし(笑)、相変わらず地元のご老人のカラオケ熱は凄いなァ。そこに入っていく勇気は無いので入店を諦め、散策を続行。他を廻ってから裏手の細い路地の「うかれ横丁」まで来るとカラオケの音が止んでいた。ちょうど歌っていただろうご老人が颯爽と出て行くところ。なので今回は勇気を出して裏手の入口(写真下3枚)から入ってみることに。強い日差しで陰っていて見づらいが、入口ドアの上には”AMI◇アミー”の文字が描かれたステンドグラスが。

 

店に入ると相変わらずちょっと暗い照明で何とも言えずいい雰囲気のオーセンティック・バーのような店内。以前と同様ご高齢の女将さんが1人。フロアーに色々置いてあるのはご愛敬。テーブル席に腰掛け、カウンター近くに掲げられたメニューを眺める。飲料の品数は少ないので、中から「アイスコーヒー」をお願いした。他にはサラダ、ピーナッツ、チョコレート、あられ、フルーツ等があるが、このバーの酒肴のような品のわりにお酒が載っていないのが不思議。地元のご老人はここでは呑まないのかな。それとも載っていないだけか。普段店の中では携帯電話を取り出さないが、他に客も居なかったので女将さんに声をかけて1枚だけ写真を撮らせてもらった(写真下)。

アイスコーヒーは、甘納豆と”九州黒棒”という黒砂糖のお菓子付き。日差しが強くて喉が渇いていたので、冷たいコーヒーと甘い菓子が旨い。せっかく店内の静けさを味わっていたのに、お母さんが気を利かせてテレビを点けてしまった。あるのか無いのか分からないが、この雰囲気でビールやウイスキー、カクテルなんか呑んだら気分がいいんじゃないかな(でもカラオケは勘弁…)。次に立ち寄れる時までお元気で。(勘定は¥500)

以前の記事はこちら

↓ 表から入ると階段があり、地下に降りて行くようになっている。そのカラフルなタイルで彩られちょっぴりモダンな意匠が何とも素敵。

 

 


 

↓ 裏の入口がある「うかれ横丁」。かつては洋食屋、料理屋、軽食屋等が並んでいたようだ。

 

↓ かつてはカツ丼の亜種「デミカツ丼」が評判だったという創業昭和9年(1934)の「旧・グリルたなか」(建築詳細不明)。店はとっくに廃業しているのに、今にでも再開しそうな雰囲気だ。中はどんな風なのか見てみたいナ。

 

↓ 通りで見付けた建物(建築詳細不明)。ガラスの入った掃き出し戸があるから何か商店をやっていたろうか。よく見ると壁面はモザイクタイルでびっしりと装飾されている。

 

↓ 有料施設「大正時代館」の一部となっている喫茶「カフェー天久」(建築詳細不明)。大正12年(1923)創業の京都のカフェーが昭和61年に廃業するにあたって内装、什器、備品一切を寄贈され復元したものだそう。喫茶だけの利用は出来るのかしら。

 

↓ 南北街道に残る「丸太食料品店」(建築詳細不明)。瓦庇下のアールの付いた看板が素敵。

 

 


 

 

喫茶 アミー(AMI)

岐阜県恵那市明智町1270-2 B1F

 

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大黒屋商店 @岐阜県恵那市

2022年07月02日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県恵那市の岩村城下町を散策。メインの通りを駅方面までずっと歩き、途中で公開されている岩村藩の商家や古い建物を見学し戻って来た。おやつに五平餅をいただこうと寄ったのは、これまた古い佇まいの「大黒屋商店」。店舗では味噌やら菓子やらの食材を売っており、だんごや五平餅を打っているスペースは横にある。こちらの五平餅は「団子五平餅」と呼ぶそうで、それをお願いした。すでにたれをつけて置いてあるものをもう一度焼いてくれる。

五平餅には大きく分けて”わらじ型”と”団子型”があるが、手渡されたこちらの「団子五平餅」は、小さめの玉が3つ竹串に刺さっている。手に取った串の香ばしい匂いがもう旨い。店先には”胡桃、胡麻、ピーナッツを使っています”と書いてある。東濃地方の五平餅のたれはそれらの加減でかなり甘い味付けのことが多いが、こちらは想像していたほど甘くなく、旨い。小さいのであっという間に食べ終わってしまった。「みたらし団子」を追加して焼いてもらおうかと思ったが、後客が先に注文を入れ時間がかかりそうだったので次の機会に。次に来た時は店頭に並んでいた「からすみ」(←和菓子の名前です)「おひねり」「おこわ」なんかも買って帰りたいナ。(勘定は¥100)

 

 


 

↓ 屋根に上がった屋号の入った軒行灯が素敵な「立花屋」(建築詳細不明)。築約120年で、30年前までは洋品店だったそうだ。現在はリノヴェーションされてカフェ「Hyakkei(百経)」が営業中。

 

↓ 店先にいくつか古い看板が並ぶ「矢野書店」(建築詳細不明)。「國定教科書取次販賣所」の木製看板が掛かっている。

 

↓ 内部が公開されている「土佐屋(現・工芸の館)」(建築詳細不明・復元改築)。260年前に染物行を営んでいた商家。一番奥の建物には染料が入っていただろう甕(染壺)が並ぶ土蔵もある。

 

 

 

↓ こちらも内部が公開されている「勝川家」(江戸後期建造)。江戸末期の商家で屋号は「松屋」だったそう。奥には立派な土蔵があったり、書院や茶室が残っている。急勾配な箪笥階段の上は使用人部屋だそう。

 

 

 

 


 

大黒屋商店

岐阜県恵那市岩村町本町310-2

 

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松浦軒本舗 @岐阜県恵那市

2022年06月28日 | 岐阜県(東濃・老舗)

引き続き恵那市の岩村城下町を散策。お土産にと寄ったのは「松浦軒」。岩村には江戸時代から古(いにしえ)の技法で作られる”カステーラ”が残っていて、後に洗練されたカステラとは違う、より元の形を残しているカステラ(カステーラ)だとして雑誌などにも特集されている。以前に伺ったのは創業が寛政8年(1796)※という「松浦軒本店」。今回伺ったのは創業明治15年(1882)の「松浦軒本舗」。店頭には特に”本舗”の表記は無く「和蘭風カステーラ・松浦軒」とあるだけ。同じ屋号の本店と目と鼻の先にあるので何か関係があったのだとは思うが、どちらの情報を探しても、その辺りの事情はあまり出てこない。渋い木製看板が掛かる店にお邪魔した。店内はガラスショーケースがあるのみ。シンプルな「カステーラ」の他に「ブランデーカステーラ」(写真下右側)というのがあったのでそれも購入した。これならバイクのサイドバッグに縦に入れても大丈夫。

※「松浦軒本店」は製法を伝えた下記の「神谷雲沢」が長崎に留学した年を創業年にしているそうなので、実際の創業年とは違う可能性がある

家に持ち帰ってまず母におすそ分け。残りを妻と分けっこする。伝えられる製法の説明は本店と同様で、岩村藩の医学生・神谷雲沢が長崎留学中に習得し帰郷して伝えたのだとか。こちらの「カステーラ」の原材料は、鶏卵、砂糖、小麦粉、和三盆糖、水あめ等とのこと。詳しく調べてみると、卵が一番多いのと、水あめを使っているのが本店(本店は水あめ不使用・蜂蜜使用)と違うようだ。もう本店の方のカステーラの味は忘れてしまったので比べることは出来ないが、生地の肌理は細かいもののしっとりとした感じはあまりない。色付きも一般的なカステラのように濃い黄色ではない。味は何といっても玉子の風味が強いのが特徴。旨い。「ブランデーカステーラ」はややしっとりめ。ブランデーはほんのり香る程度で強くはないが、これも旨かった。(勘定は¥1,280)

 


 

↓ 通りの辻にある四面塔と道標。「左なこや道」「是より左八なこや道」と書いてあるのだそう。裏側にも文字が刻まれているが写真を撮るのを忘れた。

↓ 古い建物ではなさそうだが、その意匠が何となく気になった「クリーニング・三宅」(建築詳細不明)

 

↓ 店舗近くの元・美容室の建物(建築詳細不明)。もちろんこれも大して古くはないだろうが、こういった縦に続いた明かり取りの窓や、蹴り板の付いた入口ドアがいかにも昭和な感じ。

↓ 通りから路地に入ったところにある岩村藩の鉄砲鍛冶「加納家」(建築詳細不明)。 天保2年(1831)頃から藩主の命令で鉄砲鍛冶を始めたのだとか。建物の中には火縄銃や古文書が展示されている。

 

 

↓ こちらも通りから路地に入った所にある「やなぎ屋」(大正時代建造)。元は染織工場だったのだそう(そのわりにタバコ売場が残っているのはなぜ?)。現在はゲストハウス(民宿)として使われている。

 

 


 

松浦軒本舗

岐阜県恵那市岩村町西町809-6

 

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かんからや @岐阜県恵那市

2022年06月23日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県恵那市の岩村城下町を散策。昼食後しばらくしてから寄ったのは「かんから餅」で有名な「かんから屋」。創業して130年程経つらしいが、詳しい年号までは分からなかった。風情ある平屋の建物は、向かって右側に煙草屋らしき部分(写真下3枚目もあるので昔はそちらも営業していたのかな。暖簾をくぐって中に入ると店内は土間の真ん中にある小上がり席(←たぶん冬は炬燵が置かれるのだろう)も、大きなテーブル席も、奥の座敷席もほぼ満席の盛況ぶり。密を避ける為だろう、名前だけ訊かれ外で待つように告げられた。強い日差しの中、座る場所は無いので立って待つ。しばらくして呼ばれたので中に入り、大きなテーブル席に案内された。こちら名物の「かんから餅」以外にもうどんが何種類かあるが、頼んだのは「かんから餅」のみ。にしても若い女性が何人も立ち働いていて、のんびりとした通りでこの店だけ混雑している感じ。店の建物も年季が入っているが、柱で支えられている天井が船底のようになっていたり、明かり取りがあったりと興味深い。

さほどかからず「かんから餅」が運ばれた。平皿に盛られていて、たっぷりの摺り胡麻がかかったものが2つ、滑らかなこし餡にくるまれたものが2つ、きな粉がかかったものが1つと、合計5個並べられている。地元産の餅米をつかっているという餅は、箸で持つとぐにゃりとするくらい軟らか。たっぷりの胡麻の粉でむせてしまいそうになったので、あわててポットからお茶を湯呑に注ぐ。胡麻の風味が口いっぱいに広がる。きな粉は想像通りの味。こし餡でくるまれたものは滑らかな口当たりで甘さは控えめ。こんなに食べられるかなと思ったが、とても口当たりが良く、重くないのでパクパクといけてしまった。バイクでなければお土産に買って帰るんだけれど(←菓子ひと箱さえ運べない不便な乗り物!・苦笑)。(勘定は¥450)

 

 

 


 

↓ 通りのランドマーク的存在の「水野薬局」(昭和20年・1945・建造)を再訪。江戸中期から薬屋で今も現役。明治時代のものという外看板はもちろんのこと、ショーケースの中にも年季の入った貴重な品が沢山並べられている。薬に用は無いのだが、せっかく現役なのだから栄養ドリンクの1本でも買って店の中を見せてもらえばよかったと後から思う(飲まないが)。

 

 

 

↓ 燃料や肥料、米などを扱っている「深萱商店」(建築詳細不明)。店先に赤い郵便ポストも立っている。何てことのない建物に見えるが間口が広くこちらも年季が入っている。こういうのが当たり前に建っていて現役なのがこの通りの凄いところ。

 

↓ 看板建築がカッコイイ洋品店「うめしょう(梅庄商店)」(昭和初期建造)。もちろん現役。上の部屋はどんな風になっているんだろう。

 

↓ 路地から通りに出た所にも当たり前のようにこういう風情ある建物が(建築詳細不明)。ここも商家だったと思われるが何を商っていたのかな。

 

↓ 「旧・岩村郵便局」(昭和3年・1928・建造)は相変わらず利用されていなさそう。

 

 


 

 

餅菓子 かんからや (かんから屋)

岐阜県恵那市岩村町806-1

 

( 恵那 えな 岩村 いわむら 岩村城下町 かんからもち かんから屋 加運賀良屋 和菓子 麺類食堂 うどん 近代建築 看板建築 岩村城址 )

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鳥兵 @岐阜県恵那市

2022年06月19日 | 岐阜県(東濃・老舗)

久しぶりに岐阜県恵那市の岩村城城下町を散策。バイクを役所の駐車場に停め、歩いて古い建物が多く残る通りへ。昼は以前からブックマークしてあった「鳥兵」で摂ることに。以前は通り側の入口(写真下2枚目)しか知らなかったが、路地を入った裏手に暖簾の掛かった新しい建物があった。前は気付かなかっただけかな。暖簾をくぐって中に入り靴を脱ぎ、広い店内のテーブル席に案内された。屋号に”鳥”とあるので、何となく鶏料理を選びたい気分。「親子丼」と迷って「恵那鶏のきも焼き定食」をお願いした。

盆にのった「恵那鶏のきも焼き定食」が運ばれた。メインのきも焼きに加え、こんにゃくとタケノコの煮物、ポテサラ、漬物、それにご飯と赤だしが付いている。濃いたれで味付けされたきもは、レバーだけでなく色々な部位が入っている。味付けはニンニク生姜醤油。照りのあるきもをつまんですぐに後から白いご飯を掻き込む。旨い。この組み合わせで旨くない訳がないわな。きも焼きの皿には千切りキャベツときゅうりトマトの付け合わせ。これだけ濃い味のたれが絡んでいて、下にもたれが溜まっているので、キャベツに直接かかったドレッシングは要らないかな。全部綺麗に平らげてご馳走様。勘定してもらった。(勘定は¥1,230)

 

 


 

↓ 駐車場から町並みまでの細い路地にも風情あるなまこ壁の建物「木村邸」(建築詳細不明・江戸中末期?)が。途中生業が陶器関係と思われる民家の軒先に茶碗類が並べてあり、ちょうど欠けて新しいのをと思っていた自宅の小碗と同じサイズの碗を見付けた。色と柄も気に入ったので居間でテレビを観ていたご高齢のお母さんに「これ、おいくらですか?」と尋ねると、「ええよええよ、持っていって。誰かに使ってもらった方が嬉しいで。」と有難いお返事。お礼を言って遠慮なく頂戴する。

 

↓ 路地を抜けた先、メインの通りに出るとすぐにこんな風情のある建物(建築詳細不明)。ここは相変わらず町全体が文化財のようだ。

 

↓ とても間口の広い「骨董・岩村」(建築詳細不明)。何となく手が入れられているような感じもあるし、前は違う用途の建物だったかも。

 

↓ 何とも可愛らしい建物の「瀬戸石油店」(建築詳細不明)。古い町並みを抜けた奥にポツンと建っていた。

 

↓ とても綺麗な状態の「旧・昭和堂」(建築詳細不明)。以前は文房具を扱っていた商店だったようだがその看板は下ろされている。表の建物があまりに綺麗なので看板建築の部分がどれくらい古いのかどうかよく分からない。

 

 

↓ 以前にも中に入ったことがある「まち並みふれあいの館(旧・岩村銀行本店)」(明治41年・1908・建造)。観光案内所として利用されている。

 

 


 

 

お食事処 鳥兵

岐阜県恵那市岩村町本町237

 

( 岩村 いわむら 岩村城下町 とりひょう 岩村城 女城主 鶏料理 和食 近代建築 看板建築 銀行建築 恵那市観光協会 )

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