ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

すきやばし次郎 日本橋店 @東京・日本橋

2013年07月29日 | 東京都

かの高名な「すきやばし次郎」には支店がある。ひとつは六本木ヒルズ店。これは本店のホームページにもリンクされている。だが、そこでは全くリンクも紹介もされていない店があり、そのひとつは豊洲店。そしてもうひとつが今回訪問した日本橋の高島屋の中にあるこの日本橋店だ。この2店がどういう扱いなのか分からないが、なんだか線引きをしているようで不思議。もちろん値段も内容も全然違うので訪問する際は注意が必要。

昭和8年建築の「高島屋日本橋店」、百貨店建築初の国の重要文化財だ ↓

Photo_29

「すきやばし次郎 日本橋店」は高島屋のテナントなのでいつでも入れる気軽さがある。しかも建物は国の重要文化財だ。もちろん予約も必要ないし、営業時間もデパートに準じていて、中休みもないはず。なので半端な時間にちょっと鮨を摘まみたいが、回転寿司なんか行きたくないなんていう時には意外と便利。日本橋だから東京駅にも近いので、新幹線に乗る前にちょっと、なんていう使い方も出来る。今回はまだ他の店が開いていない午後の遅い時間、まさにそういう感じで店に入った。

半端な時間だけあって先客は一組だけ。1人だったがカウンターでなくテーブル席に通された。数少ないメニューの中から「特選にぎり」を注文。漬け場では男性が2名調理していて、奥にも1人居るようだ。テーブル席からは残念ながら手元を見る事が出来ない。自分は鮨を喰う時に握り手の所作を見るのが好きだからちょっと物足りない。でもデパートという場所柄、客が少なくてもカウンターには案内しないのかも。程無くしてきれいに皿に盛られた握りが運ばれる。白身、烏賊、鮪2種、イクラ、貝(小柱)、小肌、穴子、玉子が乗っている。特長的なのはその握りの形で、どれもかなり長細い。本店の鮨は本でしか見た事がないのだが、ここまで細くはなかったはず。本店のHPにはこだわりとして「人肌にかぎる」と書いてあるご飯だが、これも人肌ではなく冷めたもの。そういう伝承はしていないようだ。酢締めの小肌なんかは結構好みの締め加減だし、柔らかく煮られた穴子もツメがしつこくなく悪くない。軍艦は正直海苔が今ひとつ。でもこの値段なら特に不満はないかな。もうひとつ上の値段の特選盛り合わせにすれば、海老と雲丹と鉄火巻きが入るようなので1,000円高くても上の方にすれば良かったかも。

「すきやばし次郎」と名乗っている以上、どうしてもある程度期待してしまうが、看板が関係なければそこそこ利用価値のあるお店ではないだろうか。まさか本店の代わりとして利用する人はいないだろうと思うが、デパートに買い物に来たおばさま達には誤解されて、全然大したことない、なんて言われてしまいそう。実際自分の母はそう言っていた(笑)。(勘定は¥3,150)

すきやばし次郎 日本橋店

東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋タカシマヤ 4F

(次郎日本橋 すきやばし次郎日本橋 次郎 日本橋 日本橋店)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Teenage Kicks (46 Classic Punk & New Wave Tracks) / Various Artists

2013年07月26日 | パンク・ニューウェーヴ

Teenage_280 

Teenage Kicks (46 Classic Punk & New Wave Tracks) / Various Artists (1995)

現在ではユニバーサル傘下になっているPolyGram TVレーベルが編集したパンク&ニュー・ウェーヴのコンピレーション2枚組。90年代にはVirgin UKレーベルと共に、テーマに沿った様々なお買い得編集盤を発表していた。この盤でのテーマは「パンクとニュー・ウェーヴ」。下の曲目表を見ても分かる通り、どちらかというとニュー・ウェーヴの比重が高い(実際にパンクと呼んで違和感のない曲は10曲位か)。

こうした編集盤で楽しいのは編者によって自分との感覚(好み)の差が大きいところ。「これ、入れますか?」みたいなのがあると、それはそれで最高。それにどんなに聴き漁っているジャンルでもやはりイギリス人、アメリカ人と日本人ではずれがあり、捉え方が違うので選曲に違いが現れる。自分を含めて日本人は音楽ジャンルを狭義で考え過ぎなところがあるかな。

その昔、アナログ世代の音楽好きなら自分の好きな曲ばかり入れたカセットテープやテーマに沿ったカセットテープを作った事が一度ならずあるはず。自分もしょっちゅうやっていたが、いつまでたってもなかなか満足出来るものにはならなかった覚えがある。作った後で、この曲だけちょっと違うなぁとか、この順番は失敗したなぁとか、色々あった。今なら全部iPodにでも叩き込んでランダムに流すなんていう荒技も可能だが、昔はカセットテープの時間制限があったり、入手可能な音源が基本的にレコード盤だけだったので、暇も金もたくさん必要だった。じゃぁ、今の方が幸せかとうとそうばかりではない。何しろ音に飢えていたので音源(この場合レコード)に対する思い入れが何百倍も違う。LPで1枚¥2,800、シングルで¥700という高額だったのに加え、音をあらかじめ聴いてから購入出来る術は、ラジオかお店での視聴しかなく、それも可能な店とそうでない店があったから、なけなしの金を握りしめた小中高生には「博打」みたいなもんだった。自分好みな音楽でなかったとしても元を取る為に(笑)聴きまくったなぁ。音楽を聴いて「元をとる」って変な話だが…。こんな話、今10代の子供達が聞いても理解出来ないだろうなぁ。

Disc1

01 Pretty Vacant - The Sex Pistols
02 Going Underground - The Jam
03 My Perfect Cousin - The Undertones
04 Do Anything You Wanna Do - Eddie & The Hot Rods
05 If the Kids Are United - Sham 69
06 Pump It Up - Elvis Costello
07 No More Heroes - Stranglers
08 She's So Modern - Boomtown Rats
09 Hit Me With Your Rhythm Stick - Ian Dury & the Blockheads
10 Ever Fallen in Love? - Buzzcocks
11 Working for the Yankee Dollar - Skids
12 Turning Japanese - Vapors
13 King Rocker - Generation X
14 Germ Free Adolescents - X Ray Spex
15 What a Waste! - Ian Dury & the Blockheads
16 Is Vic There? - Department S
17 Go Wild in the Country - Bow Wow Wow
18 Eighth Day - Hazel OConnor
19 Automatic Lover - Vibrators
20 Lucky Number - Lene Lovich
21 Rich Kids - Rich Kids
22 Start! - The Jam
23 Teenage Kicks - Undertones

Disc 2

01 Hanging on the Telephone - Blondie
02 Brass in Pocket - The Pretenders
03 Airport - Motors
04 Take Me, I'm Yours - Squeeze
05 Can't Stand Losing You - The Police
06 I Got You - Split Enz
07 Pretty In Pink - The Psychedelic Furs
08 2-4-6-8 Motorway - Tom Robinson
09 I Want You to Want Me - Cheap Trick
10 Shake Some Action - Flamin' Groovies
11 Swords of a Thousand Men - Tenpole Tudor
12 Back of My Hand (I've Got Your Number) - The Jags
13 My Best Friend's Girl - Cars
14 My Sharona - The Knack
15 Time for Action - Secret Affair
16 Generals and Majors - XTC
17 Reward - Teardrop Explodes
18 Clean, Clean - Buggles
19 Roxette - Dr. Feelgood
20 Hey Lord, Don't Ask Me Questions - Graham Parker
21 Spanish Stroll - Mink De Ville
22 Roadrunner - Jonathan Richman & Modern Lovers
23 Real Wild Child - Iggy Pop

中古店にて購入(¥280)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

池の端藪蕎麦 @東京・上野 (※閉店)

2013年07月25日 | 東京都(老舗)

Photo

暇つぶしに浅草六区あたりを少しぶらつくも、日差しの強さと人の多さに閉口し、早々にバスに乗って上野へ。創業1675年(!)という338年もの歴史のある漬け物屋「酒悦」で福神漬けを購入したのち、向かったのは「池の端藪蕎麦」。火事で休業中の「かんだやぶそば」~浅草の「並木藪蕎麦」の流れから昭和29年にこの地で創業との事。昨年、ここ目当てでちゃんと時間を調べて来たのに早仕舞いに遭ってしまい、食べ損ねたことがある。今回も営業時間を確認して午後1時過ぎに訪問したが、店前に張り紙で「早仕舞い」との事。あぶない、あぶない。予定よりも少し早く着いてよかった。HP(音に注意)にも日曜祝日は通し営業と書いてあるが、いつも午後8時まで営業するという意味ではないようなので、休日訪問の際は注意が必要です。

店前には残念ながら入店待ちの列が。昼時は少し過ぎているが、休日の上野とあって人も多いから仕方がないか。一度でも訪問していたら諦めて蓮玉庵に行っただろうけれど、初訪なので我慢して並ぶ。自分の後にも何人も並んでいたがいつもこんなだろうか。しばらく待ってやっと入店。

テーブルの相席で、お酒(菊正宗樽酒)と焼き海苔を注文。焼き海苔は炭の入った海苔箱に入ったもので前から一度注文してみたかった。期待して蓋を開けてみる。中は上げ底になっていて、上の段に海苔が重なって入っている。この海苔に山葵や醤油をちょっとつけながらお酒を飲む。どれどれと下の段を開けてみると…あれっ?炭がひとつも入っていない…(ちなみに燃えカスもなし)。えーっと…これじゃ意味ないんじゃ…。そりゃ酒を飲む時間で海苔がふやけるほど長居はしないつもりだが、火の起こった炭の欠片でも入っていて欲しかったナ。なんか残念。

もう客も入って来なくなったのでゆっくり本でも読もうかと思っていたが、自分はせっかちな性格なのか1人ではいつも長居は出来ず、酒を飲んでいない人よりも早く締めに。ここは蕎麦のメニューも多いので迷ったが、締めにはやはり「ざるそば」を注文。並木藪と同様にざるが裏返しになっており、その上に蕎麦が乗せられている。(※ここのHPのおしながきによると本来のざるそばは「海苔のかかったおそばと、もり汁にお膳返しを加えた汁でお出しする」のだそう)。そばつゆは並木藪ほどでなないもののやはり辛口。スッキリとしていて旨い。蕎麦湯を胃の腑に落として、まだ日差し強い外に出た。(勘定は¥1,700)

※以前から休業中の状態でしたが、残念ながらとうとうお店を閉められたようです。(2016年7月現在)

池の端藪蕎麦

東京都文京区湯島3丁目44番7号

 

(池の端藪蕎麦 池之端藪蕎麦 いけのはたやぶそば 池の端 池之端 やぶそば 藪そば 閉店 そば 蕎麦 そばきり 蕎麦前 焙炉 ほいろ )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

At Madison Square Garden / Johnny Cash

2013年07月24日 | カントリー

Cash

At Madison Square Garden / Johnny Cash (1969)

ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の60年代後半のライヴと言えば超のつく名盤「At Folsom Prison」や「At San Quentin」があり、彼のパフォーマンスやアティチュードが最も鋭敏だった時期なのは誰しもが認めるところ。このアルバムは1969年12月のマジソン・スクエア・ガーデンでの録音だが、2002年まで発表されなかった貴重なライヴ録音だ。大会場でのライヴとあり、前述の2作とは雰囲気もショウの構成も違うが、テネシー・スリー(Tennessee Three)と呼ばれたギターのカール・パーキンス(Carl Perkins)を含むバック・バンドは同じ。惜しむらくは奥方のジューン・カーター(June Carter)が妊娠中で帰郷しており不在だったとかで、定番のデュエットが聴けないところが残念。

カール・パーキンスのソロ演奏を含むライヴ演奏は大箱向けのショウ的要素が強いため、ジャケット写真から想像するステージ衣裳を含め、当時の一般的なコンサートの枠を出るものではないし、尖った彼を評価する向きにはやや物足りない感じもするかもしれないが、カントリー、フォーク、ロカビリー、ゴスペルと様々な音楽ジャンルの曲を余裕たっぷりに、時にシニカルに演奏するキャッシュは相変わらず男前。もちろん録音を残していたという事はキャリアの中でもハイライト的な扱いではあったんだろう。当時カントリーのミュージシャンでマジソン・スクエア・ガーデンのような大会場で集客出来るような大物はそんなに居なかったのでは。でも日本では想像つきにくいが、アメリカでのカントリー・ミュージックの支持の受け方(特に大都市郊外で)は絶大で、小さなクラブとかで演っているんだろうと思っていた自分は現地に滞在してビックリした事があるので分からない。

ベトナム戦争真っ只中での彼のアウトロー的な歌詞や態度はアメリカ国民にどう受け止められていたんだろう。もちろん彼は多くの(保守的な)カントリー・ミュージシャンと同様に国を愛していたはずだし、アメリカ人に「アメリカ」という国を最も意識させたミュージシャンのひとりだから、いわゆるこちらで想像するようなステレオタイプな反体制ではないと思うのだが、そのあたりの立ち位置を日本人である自分が理解するのは本当に難しい。そのあたりがジョニー・キャッシュの評価が不当に低い(というか評価さえされていないか…)原因でもあると思う。

amazonにて購入(¥580)

  • CD (2002/8/27)
  • Disc: 1
  • Format: Original recording remastered, Import
  • Label: Sony
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    土手の伊勢屋 @東京・日本堤

    2013年07月23日 | 東京都(老舗)

    日差しもあり暑い中、三ノ輪駅から15分程歩いて吉原大門へ。その昔、吉原遊郭への入り口が有った場所らしい。道中にも馬肉卸店があったりして昔の名残が見て取れる。広い道路脇には木造の風格ある建物が並んでいる。その中にあるのが天丼で有名な「土手の伊勢屋」(創業明治22年)。正式に「土手の~」と付くのかどうかは分からない。住所やら屋号からも想像出来るが、昔は堀(山谷堀)があり、埋め立てた場所だそう。そこを土手と呼んでいたのかな。

    2

     

     

    隣り(左側)はこれも有名な桜なべ(馬肉鍋)の「中江」。ここもいつか入ってみたい。どちらも見事な木造建築で、建物好きな自分としてはワクワクすると同時に、こうして少しとはいえ残っていることに感激。2軒とも文化庁から有形文化財にも指定されているが、伊勢屋のこの建物は昭和2年建造とのこと。

    写真は建物の裏側 ↓

    2_2

    開店前だったが、休日だったのである程度の並びは覚悟していた。でも数人だったので一安心。店の摺りガラス窓に海老の透かしがあったりしてかっこいい。

    Photo

    少し裏にも回ったりして建物を味わっていると「どうぞ」と開店。もちろんこれから混む事になるだろうから相席で、土間のテーブルに着席。天丼が有名なだけに皆さん天丼を注文。自分はお腹一杯にしたくなかったので天麩羅(中)と、暑かったので冷たいお酒を注文。昼間でもやや暗い土間のテーブル席や小上がりを電球が照らして雰囲気たっぷり。店の中をゆっくりと見ていたいが店の入口に向かう席だったので店内を見回すには振り返らなければならず、ちょっと落ちつかない。

    しばらくして他の客の丼と自分の天麩羅が運ばれてくる。おっ、丼はやっぱり旨そうだな、と横目に見つつ、熱々の天麩羅を冷や酒と共に口に運ぶ。衣は大きめでごま油の香りたっぷり。海老や野菜の食感もいい。そしてその下にある小柱のかき揚げが何とも旨い。小柱からの汁で衣こそ少しふやけて崩れてしまうが、プリッとした小柱の淡白な味わいと衣の香りが相まって箸が止まらない。もっと飲みたい衝動を抑えつつ次々と入ってくる客と入れ替わり店を出た。(勘定は¥2,300程)

    Photo_8

     

     

    土手の伊勢屋

    東京都台東区日本堤1-9-2

     

    余談だが、三ノ輪からここに歩いてくる途中の歩道上に「矢吹ジョー」の等身大の人形が立っていた。そうか、ここがあの「あしたのジョー」の舞台・泪橋(丹下拳闘クラブ所在地)のある場所だったんだ。お店を出てから少し散策しようと思っていたのに都営バスが丁度来るもんだからつい乗ってしまった。

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    Mechanical Animals / Marilyn Manson

    2013年07月22日 | オルタナティヴ・ロック

    Marilyn189

    Mechanical Animals / Marilyn Manson (1998)

    どうしてこのアルバムをリアル・タイムで買わなかったのか覚えていないが、前作で躍進したマリリン・マンソン(Marilyn Manson)の98年発表のアルバム。前作と同じNothingレーベルから発売されているが、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)のトレント・レズナー(Trent Raznor)とは袂を分かっている。トレント・レズナーとの確執は色々取り沙汰されたが、その辺のゴタゴタがNINファンの自分にとってのマイナス・イメージとなったのかな。それでもシングル・カットされた9などのPVはよく見た覚えがあるから気にはしていたんだろう。こうして改めて聴いてみると、音作りといい、コンセプトといい、素晴しいクオリティで聴かなかった事を軽く後悔。

    マリリン・マンソンはちょっとキャラが先歩きしてしまった事と、この後のキャラ設定のエスカレートぶりとゴシップが激し過ぎて、マスの消費速度も早く、音楽的な評価がおざなりにされた感がある。もちろん人気もあり、話題にもなっていたが、少なくとも音楽的には充分な評価はなかったのでは。自分がそういったゴシップなどに辟易してこのアルバムを手に入れなかった事自体が当時の彼が大衆に置かれた状況を示していると思う。本来はこういう音好きだもん。テーマを掲げてアーティストがコスチュームに身を包み、ストーリーにそわせた曲を並べるのはまさに「グラム・ロック」の手法。曲によってはソウル・ミュージック的な要素も含んでいて、まさにボウイ(David Bowie)っぽい。オルタナティヴ全盛時代のニュー・グラム・ロックとして見直しました。

    中古店にて購入(¥189)

  • CD (1998/9/14)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Enhanced, Explicit Lyrics
  • Label: Nothing
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    砂場 @東京・南千住

    2013年07月21日 | 東京都(老舗)

    Photo_3

    都営線三ノ輪駅を降り、少し歩いたところにある昔ながらの下町商店街の中にある「砂場」。蕎麦の系譜「砂場」で江戸時代から続いて現存する最古のお店のひとつ。屋号はこのお店のどこを見ても「砂場」と書いてあるだけだが、「砂場総本家」「南千住砂場」など通称があってどれが正式なものなのか不明。紹介されている書物にも色々な書き方がしてあり判然としない。

    お店の外観は残念ながら商店街のアーケードのせいで屋根部分を見る事が困難だが、戦後(昭和29年とか)の木造建築は細部の意匠に凝った造りで風格がある。まさに歴史的な建物。でも蕎麦屋がどんどんお洒落で気取った佇まいに変わっていく中、そんな事は意に介さずと、お店周りに鉢やら看板やらが雑然と置いてある気取りの無さが下町らしい。

    開店してすぐの時間に行ったためまだ先客はなし。小さな子供さん(お孫さん?)が「いらっしゃい、どこでもどうぞー」と可愛らしく席を勧めてくれる。お店の中はかなり特異で独特な空間で、主人の趣味らしい様々な小物がたくさん陳列してあったり、子供さんのお習字が飾ってあったり、果ては模型電車まで走っている。その長い歴史と風格を全く感じさせない街場の蕎麦屋風情に懐かしさだけでなく、圧倒され驚いた。この箱(建物)と歴史と蕎麦があれば、どこも太刀打ち出来ないような物凄いお店にもなり得るのに、そういう所に無頓着な所がある意味凄い。

    次があったので軽く一枚と「もり」を注文。メニューには蕎麦はもちろん、ご飯もの、うどんの文字まで見える。葱と山葵が添えられた蕎麦は量的には普通。色は訪問前の想像より白っぽい。切りが長めで軽めに締められている。つゆは濃いめ。甘めと評する人もあるが、自分にはさほど甘くは感じられなかった。蕎麦湯は老舗には珍しくどろっとしたタイプ。

    種物やつまみが旨そうだったが後があるので断念。いずれゆっくりと一杯やってみたいなぁ。こんな歴史的な屋号のお店が下町の元気なアーケード商店街に気取りなく残っているというのが本当に面白い。 (勘定は¥630)

    Photo_7 

    砂場総本家

    東京都荒川区南千住1-27-6

     

     

    (砂場 南千住砂場 砂場総本家)

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    Z / ユニコーン

    2013年07月20日 | ロック(日本)

    Unicorn_1164

    Z (初回生産限定品+DVD) / ユニコーン (2011)

    ユニコーン再結成後2枚目のオリジナル・アルバム。初回はDVDが付いていて、2010年渋谷公会堂でのライヴ4曲とアメリカ録音時のドキュメンタリーを収録。

    再結成後第1作目「シャンブル」での復活があまりにも自然で、アルバム内容もバラエティに富んでいて、らしさ一杯だったので、あれだけで終わらないだろうと思っていたが、ライヴ活動を経て、思ったよりも早く2枚目が登場。メンバー自身も昔と違い、力が抜けて楽しいんだろうな。もともと「ダルさ」「ユルさ」みたいなものが歌詞に滲み出ていた彼らだが、オッサンになって磨きがかかったというか、歳相応になったと言うべきか、やんちゃさは残しつつも余裕が感じられる。

    奥田民生だけでなく、各メンバーの個性をそれぞれ生かしての曲作りと言う点では今作も同様で、メンバーがそれぞれヴォーカルをとるスタイルもそのまま。故に曲の音楽性や完成度に大きな振り幅があり、ファンでないとついていけないかもしれないが、今のユニコーンしか聴いた事がないという人はあまりいないだろうからこれでいいだろうと思う。4みたいな曲が入れられるのはユニコーンならでは。思いつきタイトルで曲まで作っちゃったって感じの曲もあって、以前と変わりないが、14のメロディの秀逸さにはさすがと唸らされる。

    ボーナスDVDのライヴ映像は尺こそ短いが充実している。ライヴではやはり阿部義晴の存在感と各メンバー(特に奥田)の嬉しそうな表情が印象的。出来ればボーナスDVD付の初回盤をおすすめ。

    中古店にて購入(¥1,164)

  • CD (2011/5/25)
  • Disc: 1
  • Format: CD+DVD, Limited Edition
  • Label: KRE
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    バー ノンノン @東京・お茶の水

    2013年07月19日 | 東京都(老舗)

    Photo_4

    山の上ホテル本館1Fにある老舗バー「ノンノン」。部屋に戻って寝る前にちょっと覗いてみた。普段あまりオーセンティックなバーに入った事がないので緊張するかなと思ったが、ここはホテルのロビー横にあり、ドアも開放されているのでとても入り易い。自分のようなバー初心者にはとても都合が良かった。もちろんお店は小さく、スツールが8脚ほど。

    先客は2人連れと4人連れ。間の席に腰をおろし、慣れないカクテルの中から割と好きなモスコーミュールを注文。バーテンダーはひとつひとつの動作がキッチリとしていて気持ちがいい。バーではバーテンダーの動きを見るのが楽しいね。でも逆の立場から言ったら、一挙手一投足をじっくり目の前で見られているんだから大変な仕事だ。緊張するだろうな。

    ここは他のお店からつまみをとったり、横のロビーを使う事も出来るようで、ホテルらしい利便性がある。実際グループで来てロビーでカクテルやつまみを召し上がっている客もいた。その分オープンな感じなので、いわゆる古いバーにある特別な雰囲気はあまりない。いい意味でざっくばらんな印象。客も宿泊客主体ではなく、使い慣れていて軽く立ち寄った感じの人が多いように感じた。ホテルや店の古い雰囲気を味わいたい自分のような宿泊客が寝る前にちょっと寄るには丁度いいところ。そういえば前からこのお店の名前の由来を訊こうと思っていたんだけど結局訊き忘れてしまった。(勘定は¥1,300程)

     Photo_12

    バー ノンノン

    東京都千代田区神田駿河台1-1 山の上ホテル 1F

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    Sign 'O' The Times / Prince

    2013年07月18日 | ソウル・ファンク・R&B

    Prince_700

    Sign 'O' The Times / Prince (1987)

    素晴しい完成度を誇るプリンス(Prince)の名盤。80年代に録音された音楽って、今あらためて聴くとかなりその時代的な音があからさまに出て、どうしてもノスタルジックなポップとして記憶される事が多いが、この作品は今聴いても、一部のサンプリング音は例外として、素晴しいクオリティを持ち続けている。それほど当時の一般的な音楽よりも先を行っていたんだろう。収録された一曲、一曲がキラキラ輝いている感じ。プリンスの最高傑作という人も多いようだ。

    自分がこのアルバムを最初に聴いたのはアメリカ、それも彼の本拠地ミネソタで。まずFMでプリンスの新作だと言う事で1-1がかかったが、その時の驚きたるや…。スッカスカな音とリズムなのに不思議な存在感。一度聴いたら耳について忘れない。でもチャートを駆け上ったのは信じられなかったな。いくらプリンスでもこれは売れないと思った。それほど当時の周りの音楽と異質で、特にFMなんかを聴いていると対比で浮き彫りにされていた覚えがある。友達なんかはこの曲のプリンスのおかまチックな歌い方をよく真似してたな。

    それから日本に帰ってきて、兄の買っていたアナログ・アルバムを聴いた。ジャケットとおりの猥雑でサイケデリックでバラエティに富んだアルバムだった。でもまだその時は2枚組っていうヴォリュームが詰め込み過ぎみたいに感じていて名盤とまでは感じていなかった。そのように感じるのは彼が次々とアルバムを量産したり、改名騒動を起こしたりしたずっと後のこと。ダイ・ハードなファンではなかったが、ひと通り聴いていたので、聴き返して、やっぱりこの時期のプリンスはいいなぁと思うようになった次第。この時期のライヴは生で見てみたかった。

    中古店にて購入(¥700)

  • CD (1994/11/24)
  • Disc: 2
  • Format: CD, Import
  • Label: Warner Bros / Wea
  • コメント (4)
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする