哲学日記

精神分裂病を中心とした諸々の精神病に関する考察について、民話、童話、神話、ファンタジーといったことまでを含めて考察。

心理学、精神医学との出会い

2005年10月09日 | 心理学、精神医学
私には2才年上の姉がいます。現在も健在でありますが、姉は重度の精薄です。このような姉をもったこともあってか、私は子供のころから普通の子供とは違った感性をもった少年でした。どういうことかといいますと、人間の《こころ》とはどういう仕組みで成立っているのか…というようなことをこどもの頃から考えていたということなのです。そして、中学3年生になった頃、(昭和40年ごろ)中央公論社の『世界の名著』シリーズで”フロイト”という人物に出会ったのがこの世界への最初の切っ掛けになりました。

そして、高校生時代をとおして日本教文社のフロイト全集のほぼ全部を読みました。精神分析学入門からはじまって、”自我論”、”文化論”等を経て、”自らを語る”まで、全17巻のほぼすべてをそれなりに読破しました。それと同時に、みすず書房の『フランクル』著作集やエーリッヒ・フロムの著作に馴染むようになりました。

その後、しばらくは心理学、精神分析学関係の読書からは離れていました。わたしは高校受験、大学受験の両方に失敗し、その結果、米国のペンシルベニア州の小さなカレッジに奨学金留学をさせて戴くようなことになりました。大学では当初精神医学を勉強するつもりでしたが、運命の計らいといいましょうか、偶然のなせる技といいましょうか、私は数学を専攻しました。純粋数学です。このことが、やがて、精神医学の勉強と深い関係に繋がるとは予想もしておりませんでしたが、いずれにしても、大学時代は専門の数学と語学(英語)と、それに”聖書”の学びに没頭しました。

すなわち、中学・高校生時代にはじめた心理学、精神分析学の学びは大学時代に完全に中止した状態、つまり”開店休業”状態に陥り、それのとって替わったのが”宗教”、特に”キリスト教”だったのでした。尤も、考えてみれば、フロイトの思想もフランクルの思想も、エーリッヒ・フロムの思想もキリスト教理解を抜きにしては考えられない訳で、そのような意味で自分がキリスト教に深く関ることができたことについて非常に幸運であったことを感じないわけにはゆきません。

大学を卒業したあと、31才になるまで、コンピュータのエンジニアとして普通の会社員生活を送ってまいりました。つまり、会社ではプログラムの設計をしたり、システムの設計をしたりしながら、私的な生活空間では”教会”の礼拝に出席し、教会学校の教師(小学生および中高生)をしつつ、聖書の研究をつづけていたのです。そして、このころから特に”キルケゴール”の思想に没頭しはじめたのでした。小学生5年生のときはじめて独自にパスカルの”パンセ”に出会った経緯があった関係上、キルケゴールの思想に対する馴染みは急速なものがありました。

そして、会社ではコンピュータのシステム設計、信仰生活では教会への奉仕、教会学校の教師としての活動、そして、キルケゴールの思想の追求、その他、田川建三氏、八木誠一氏、滝沢克巳氏といった一連の学者たちの著作を読書しつつ、恋愛問題なども複雑に絡み、とうとう31才のとき生まれてはじめて強烈なうつ病に罹ってしまいました。自分自身、若いころ精神科医、あるいは大脳生理学者になろうと思っていた人間が、いとも簡単に”うつ病”になってしまうというこの”皮肉”、これは”興味あること”ですね。

幸運なことに、近所に非常に有能な内科先生がおられましたので、緊急の対策がとられ間一髪”自殺”から逃れることができました。その後、やく3年ぐらいかかりうつ病は徐々に回復することができました。そのような切っ掛けで、私は、いよいよ本格的に”精神医学”、”精神病理学”、”深層心理学”、といった分野への取組みがはじまったのです。

(つづく)

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