週刊ねこまみれ

ねこにまみれて暮らしたい。ねこ漬けの日々、日々、日々… 現在休止中です。

旅と別れ

2008-06-25 | ねこにまつわるエトセトラ





学生の頃は長い休みに入ると決まって
バックパックを背負って旅に出ました。

当時我が家には私が小学一年生の頃にやってきた
ちびというもうおじいちゃんになった柴犬がいました。
足腰が弱ってきて、暑い夏や寒い冬が来ると
体調が心配でした。

私がカンボジアに出発する日、
実家に電話して、その後、離れたところに住む姉の携帯にも
いってきますの電話をしました。
でも実はその時みんな実家に集まっていたんです。

その日、朝早く、父が散歩に行こうと小屋に向かうと
ちびが倒れていたそうです。

私は何も知らずに出発しました。
帰国後、実家に戻り玄関を開けてすぐに
自分でもなぜそう言ったのかはわかりませんが
「ちび生きてる~?」と冗談まじりに言った私に
母の顔が曇りました。
ちびの最期に何にも知らずに
何にも気付かずに
旅していた自分に腹が立ちました。



それから何年も経って、
母と私が旅先のイギリスにいた時、
夜中に電話がなりました。
その時、くりが急に倒れたと知りました。
出発前はとても元気だったくり。
帰国するまで信じられないような気持ちでいっぱいでした。
くりは姉に見守られてなくなりました。
壮絶な最期だったのに家族みんなでくりを見守ってあげられなかったこと
ひとりで心細かった姉にすべてを背負わせてしまったことに
ずっとずっと後悔が残りました。



今回、帰ってきてから
父方の曾祖母が亡くなったことを知りました。
106歳でした。
突然でしたがとても穏やかな最期だったようで
父は葬儀のことも
寿命まで精一杯生きたお祝いのようなものだから…と言っていました。
今日会いに行った写真の中のひいおばあちゃんは
すごくいい顔で笑っていました。



旅と別れ。
本当は旅先で私たちの身に何か起こっていたのかもしれない。
みんな身代わりになってくれたのかもしれない。
そんな風に言われると感謝する気持ちと共に本当に悲しくなります。
さよならが言えない別れはとてもつらいです。

もしも私に何かあるとしても身代わりになんかにならなくてもいいから。
絶対元気に帰ってくるから
絶対に大丈夫だからねと
出掛ける前の1週間、猫達には毎晩言い聞かせます。

わかっているのに、それでも省みずに旅に出る私には
いつかまた後悔の日がやってくるのかもしれない。

私に出来ることって何だろう。
毎日毎日精一杯に大好きなもの達を愛そう。
もっと愛せばよかった。
そんな後悔だけはしたくないから。



大好きなブログの大好きな可愛い子が星になりました。
今回、出発する直前に闘病中だということを知りました。
とても悲しいお別れだけれど
最期まで最大限の愛情で見守られたあの子は
きっとこれからもずっと笑顔でいられると思います。
心からご冥福をお祈りします。