東京リサーチ日記

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「宇土市役所庁舎」

2022-01-25 00:00:00 | 日記
 2022年1月25日、熊本県の宇城広域連合北消防署によると、2016年4月16日午前4時ごろ、同県宇土市役所の庁舎が壊れているとの情報が入った。同日未明の地震の影響とみられる。熊本県警宇城署によると、市役所は倒壊の危険があるものの、すでに職員らは全員が退避済みだという。また、同県宇城市小川町で住宅1棟が倒壊して住人1人が取り残されたが、すでに救助され、けがもないというが、2022年現在は・・・(井森隆)




「友人の手を握りしめた」

2022-01-23 00:00:00 | 日記
 2022年1月23日、救出してくれた友人の手を強く握った男子大学生、「友達も助かって」と祈る中国人留学生-。2016年4月16日午前1時25分ごろに発生した地震で、震度6強の激しい揺れに襲われた熊本県南阿蘇村では2階建てアパートの1階部分が崩壊、近くにある東海大学阿蘇キャンパスの学生ら計10人以上が下敷きとなった。消防隊員や難を逃れた男子学生らは、激しく変形したアパートで必死の救助活動を続けた。地震発生から約3時間半が経過した午前6時前。アパート1階で就寝中だったという同大農学部3年は、救出活動にあたっていた消防隊員に抱きかかえられるようにして、天井と床のわずかな隙間から救出された。すぐに毛布にくるまれ路上に横たわる。「大丈夫か」。胸を負傷し、苦しげな表情を浮かべる鷲頭さんのもとに、救出活動に加わった友人らが駆け寄ってきた。右手で胸を押さえながら、左手で友人らの手をしっかりと握りしめる。「天井に挟まれて動けなくなった。でも、外からの友人の声に励まされた」。痛みに耐えながら絞り出したその声には、友への感謝と安堵が感じられた。同学部1年は相次ぐ地震に恐怖を感じ、眠れないまま部屋で友人4人と話をしている最中に、激しい揺れを感じた。「最初に床が抜け、次に天井が落ちてきた」。偶然、こたつテーブルが支えになり、天井と床の間にスペースができたため、押し潰されずに救出を待つことができた。しかし、一緒にいた友人は安否不明のまま。「絶対出られる、絶対助かると思っていたが…怖かった。友達も早く救出されてほしい」と祈った。同大農学部4年の女性は、1階の自室のベッドで寝ている最中に地震に遭遇した。起き上がろうとしたが、気づいたときには天井や壁がすぐ目の前に迫っていた。そこで初めて生き埋めになったことを知った。残された狭い空間で、前屈みの姿勢を強いられたまま救助を待った。救出の手が差し伸べられたのは午前6時ごろ。「5人くらいの助けを求める声が聞こえた。みんなで『頑張ろう』と大きな声で励まし合いながら耐えていた」。救助隊から渡された毛布に身をつつみ、震える声でこう話すと、救助活動を心配そうな表情で見守ったが、2022年現在は・・・(井森隆) 
 
 




「痛かったね」

2022-01-22 00:00:00 | 日記
 2022年1月22日、2016年4月14日夜の最初の地震で最も大きな揺れを観測した熊本県益城町ではさらに被害が拡大。倒壊する建物が増え、道路に大きなひびが入り、各所が通行止めになった。「『夏には一緒にアイドルのコンサートに行こう』って3日前に約束したばかりだったんです」。深夜の地震が娘の命を奪い去り、母と娘のささやかな約束を踏みつぶした。亡くなったのは、益城町の家事手伝いさん。2016年4月16日午前、倒壊した家屋から家事手伝いさんが運び出されると、母は泣き崩れ、父は「痛かったね」と頭をなでた。一家は5人家族。2016年4月14日夜の地震後は、余震による自宅の倒壊を恐れて家族全員、車中で過ごした。しかし、2016年4月15日は電気が通り、風呂にも入れた。安心したのだろうか、「車で寝よう」との誘いを断り、自宅1階の自分のベッドを選んだ。しかし、地震で家屋は倒壊し、天井が頭を直撃。「まさか、あんな揺れが来るとは。まだ結婚もしていないのに」と涙をぬぐった。救出できなかった無念をかみしめたが、2022年現在は・・・(井森隆) 
 
 


「東の活断層や南海トラフへの影響」

2022-01-21 00:00:00 | 日記
 2022年1月21日、熊本地震は、最初の地震よりも大きな「本震」が起きたことで災害の姿が大きく変わった。被害は山間部も含め広範囲に及び、強い揺れが相次いだ。東隣の大分県でも地震が活発化している。一体何が起きているのか。さらに東にある活断層への影響はあるのか。2016年4月16日未明に起きたマグニチュード(M)7・3の「本震」の後、熊本県阿蘇地方や大分県でもM5を超える大きな地震が発生したことについて、同日午後に会見した気象庁の地震予知情報課長はこう表現した。国内では、2016年4月14日に発生したようなM6・5規模の活断層型地震の後、それを上回る本震が発生した記録が存在しないというのだ。気象庁によると、本震は熊本県の布田川(ふたがわ)断層帯で発生したとみられる。この断層帯から北東にある同県阿蘇地方では、午前3時台にM5・8の地震が2回発生。さらに北東の大分県中部でも午前7時すぎにM5・3の地震が起きた。 会見では、これら2カ所の地震活動の高まりは、本震とは独立した別の地震活動であるとの考えを示した。その上で、気象庁課長は「地震活動が今後、どのようになっていくかは分からない」と述べた。M7・3の本震以降、地震の回数も急増した。気象庁によると、2016年4月16日午前1時までの約30時間に観測した震度1以上の揺れは153回。その後、2016年4月16日午後3時までの14時間で134回に及んだ。地震の回数が増えれば、建物が倒壊する恐れも高まる。柱や壁に強い力が加わり、変形して戻ることを繰り返すと、ひび割れや隙間ができる。その結果、建物の外からの力に耐える力が落ちてくるからだ。現地で調査を続ける福岡大教授(建築防災学)によると、2016年4月14日の地震で傷んだ建物に2016年4月16日の本震でさらに力が加わったことで傾いたり倒れたりしていたという。「前日まで柱が1本崩れていたという鉄筋コンクリートの店舗では3本の柱が大破して、倒壊寸前になっていた」一方、2016年4月16日の本震では阿蘇山周辺で起きた土砂崩れが住宅を巻き込んだ被害をもたらした。付近は溶岩でできた岩盤の上に、「スコリア」と呼ばれる数ミリから数センチの黒い軽石が積もった一帯。もともと土砂崩れが起きやすい。岩手県立大教授(自然災害科学)は現地の状況について「スコリアの層が崩れる『表層崩壊』の可能性がある」と指摘。スコリアや火山灰が積もった場所が雨で崩れると、土砂と水が混ざり、土石流を起こす恐れもあるという。最初の地震は日奈久(ひなぐ)断層帯の北部で起きたが、2016年4月16日の本震はその北東側の布田川断層帯で起きたとみられる。今後懸念されるのは、さらに別の活断層による地震が誘発される可能性だ。相次ぐ地震の震源は、「別府―島原地溝帯」と呼ばれ、多数の活断層がある溝状の地形に沿って分布する。さらに北東には、四国を横断し紀伊半島に延びる長大な活断層、中央構造線断層帯が連なる。京都大教授(地震地質学)は「今回ずれた断層の延長線上にひずみがたまり、大分県側でM7級の地震が起きることも否定できない。四国側の中央構造線が動く可能性もある」と話す。地震が起こると、震源になった断層にたまっていたひずみは解消されるが、逆にその周囲や延長線上にある断層のひずみが増えることがある。その影響は、離れた地域にも及ぶ。東日本大震災の直後には、長野県や静岡県でM6級の地震が起きた。活断層による内陸の地震でも、1992年の米ランダース地震(M7・3)の3時間後に、40キロ離れた地点でM6・4の地震が発生した例が知られている。今回、地震が起きている領域と重なる大分県の別府―万年山(はねやま)断層帯でも、この断層が動いた慶長豊後地震(1596年)で、前後数日の間に愛媛と京都で大きな地震が起きた記録がある。中央構造線断層帯などの活断層の調査で、これらに対応するとみられる地層のずれも見つかっている。ただ、四国の中央構造線断層帯の平均活動間隔は千年以上とされる。京都大名誉教授(変動地形学)は「前回の愛媛の地震から約400年しかたっておらず、ひずみがたまっていないとみられる。四国の中央構造線断層帯の活動が誘発される可能性は低い」とみている。南西側にも、日奈久断層帯の動いていない部分がある。東京大地震研究所教授は、ほかの断層への影響について「何ともいえない」としつつも「気持ちは悪い。影響もあるかもしれない」。震源が広がる北東方向だけでなく「南にも破壊が延びていく可能性はある」と警告した。今回の地震が、九州から東海地方の沖合で想定されている南海トラフの巨大地震の発生に影響することはあるのか。今回起きたような内陸の「活断層型地震」は、陸側のプレート内部で起こる。震源が浅いため、小さい規模でも局所的に大きな被害を出すことがある。これに対し、南海トラフ地震は「海溝型」で、海側のプレートが陸側のプレートの下に沈みこむ場所で起こる。規模が大きく、広い範囲で大きな揺れや津波被害につながる。京都大防災研究所准教授(地震学)は「今回の地震が南海トラフ地震を誘発する可能性はあまり考えられない。距離が離れているうえ、今回の地震はM7級と相対的に規模が小さく、影響は非常に小さいとみられる」と話す。ただし、南海トラフ地震は約100年周期で繰り返されている。南海トラフ地震の前後数十年は、内陸の地震活動が活発化することが知られている。数十年単位でみれば発生は近づいており、備えを進める必要性に変わりはないが、2022年現在は・・・(井森隆) 
 
 



「断水、交通網寸断」

2022-01-20 00:00:00 | 日記
 2022年1月20日、2016年4月16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方で発生した最大震度6強の地震は、2016年4月14日以降に続く地震の「本震」と気象庁から発表された。電気やガス、水道などライフラインへの影響は九州全域に拡大した。断水は2016年4月16日午前9時現在の毎日新聞の集計で、少なくとも熊本県40万7000世帯▽長崎県35世帯▽宮崎県2600世帯--の計約41万世帯に上り、いずれも復旧の見通しは立っていない。水は出るが濁って飲用に適さないものもあるという。電柱の倒壊、電線の切断などにより熊本、大分、宮崎3県で最大約20万3700戸が停電。このうち熊本県では県内全戸の18%に相当する約19万7200戸が停電した。2016年4月16日午前8時現在も計約18万1000戸で停電が続いている。ガスは2016年4月16日午前4時現在、西部ガスがガス漏れによる2次災害を防ぐため熊本県内の約10万5000戸で供給を止めている。交通網の寸断も続いていた。西日本高速道路(NEXCO西日本)によると、高速道路は2016年4月16日午前8時半現在、九州道の植木インターチェンジ(IC)-栗野IC▽大分道の日田IC-大分米良IC、速見IC-日出ジャンクション(JCT)▽東九州道の大分米良IC-佐伯IC▽宮崎道のえびのJCT-都城IC--などの各区間で通行止めになっている。鉄道はJR九州の九州新幹線が全線で運行できない状態が続いているほか、在来線も2016年4月16日午前8時現在で▽鹿児島線▽日豊線▽長崎線▽久大線--などで始発から運行を見合わせるなどしている。西日本鉄道のバスは、高速バスが福岡と熊本、大分、宮崎、鹿児島の各県を結ぶ路線で運行できなくなっている。一般道も九州各地で土砂崩れや落石などが相次いだ。福岡県警によると、同県八女市矢部村で起きた土砂崩れと落石で、付近の国道442号や県道が上下線とも通行止めになっていたが、2022年現在は・・・(井森隆)




「熊本地震」

2022-01-19 00:00:00 | 日記
 2022年1月19日、熊本県内を震源とする一連の地震で、同県などによると、八代市で2016年4月16日未明に起きたアパート火災で、1人の死亡が確認された。熊本市内の病院で倒壊の恐れが出たため、患者が別の施設に搬送されるなど、混乱が続いている。このほか、同日午前4時現在、地震による県内の被害は、家屋の倒壊などによる生き埋めと下敷きが計29件、家屋倒壊による閉じ込めが68件、火災が3件などとなっているが、2022年現在は・・・(井森隆) 
 



「意識戻ったら鼻先に天井」

2022-01-18 00:00:00 | 日記
 2022年1月18日、熊本県南阿蘇村にある東海大学農学部阿蘇キャンパス近くの学生アパート。2階建ての1階部分が壊れ、本やノート、いすなどが部屋から飛び出し、散らばっている。建物を囲うブロック塀は崩れ落ちていた。ここに住む農学部3年は2016年4月16日未明の地震発生時、ベッドに寝転んでテレビを見ていた。ドーンと体が揺れたかと思うと室内の電気が消えた。その後、意識を無くした。「気づいたら鼻の先に天井があった」動こうとしても動けない。手に持っていた携帯電話で、両親と2人の兄にあて、「遺書」を打ち込んだ。「いままでありがとう。もう無理かも」建物の外から「大丈夫か」などの声をかけてもらった。やがて、レスキュー隊に体を引っ張り出され、助けられた。「自分の名前をよびかけてもらって励みになった」と振り返る。警察によると、このアパートなど数棟が倒壊し、学生ら12人が一時、生き埋めになった。2016年4月16日午前9時半までに全員を救出したが、女子学生1人が心肺停止の状態。1人はドクターヘリで搬送され、残り10人は無事という。東海大は2016年4月16日朝に対策本部を設け、安否の確認を急いでいる。農学部には学生約1千人が在籍し、約830人がキャンパス周辺に住んでいるという。同村河陽の周辺には、東海大の学生向けアパートが、地域の組合に登録しているだけで60近くある。同地区に住む村議によると、アパートの多くは軽量鉄骨の2階建てで、1階部分が潰れているという。地域にはほかに約50戸150人が暮らしていて、ほぼ半数の家が倒壊。市原さんの自宅も1階部分が潰れた。「たまたま、はりがタンスの上に落ちて隙間ができたため脱出できた」2016年4月16日未明の地震では、山の土砂が崩れて阿蘇大橋が崩落した。橋は全長200メートルで同村を流れる黒川に架かる。熊本市内につながる国道57号と村内を通る国道325号が合流する地点にあり、橋のたもとから根こそぎ落ちた。阿蘇大橋から100メートルほどにある学生アパートに住む東海大学2年生は、突き上げるような揺れと対岸の崖が崩落するものすごい音で目を覚ました。まもなく橋が落ちる大音響が起きた。用意していた非常用品を入れたリュックだけを背負い、隣に住む友人と手をつないで、大学の野球部寮に逃げた。「朝になって橋が落ちていて驚いた。真っ暗だったので何が起きたか分からず本当に怖かった」。近くの学生アパートは倒壊したり、傾いたりしている。学生は地区の小学校跡地や大学に分かれて避難しているという。自身のアパートも裏の竹林が崩れて、一部が土砂で埋まっていた。「いまだにツイッターなどでの呼びかけに応じない人もいる。無事を確認できるまでは不安です」阿蘇大橋近くの宿泊施設「アソシエート」のスタッフの男性は「死にかけた。建物はひび割れ、地面のコンクリートも割れている」。近くに住む別の男性は「縦に横にひどい揺れだった。外に出たら石垣も崩れ、道も寸断されていた」と話した。管理する学生アパートの住民約20人とともに近くの運動場に逃げた。学生や住民ら600人ほどが避難しているという。夜が明けて学生アパートが立ち並ぶ地域を歩くと、多くの建物が半壊や全壊していた。「1階部分が軒並み潰れ、街が沈んでいるようだ」同村中松の女性は家の倒壊をおそれて、軽自動車の中で家族3人と一夜を過ごした。横になることもできず、度重なる余震の「ゴーッ」という地鳴りや、家がガタガタ鳴る音で一睡もできなかった。「頭がおかしくなりそう」同村河陽の会社員男性は「阿蘇山があり、地震には慣れていると思っていたが、こんなに長くて、大きな揺れは生まれて初めて。ものすごかった」と話した。冷蔵庫や家具はすべて倒れた。ブロック塀は崩れ、庭には地割れが走り、周辺の山々のあちこちで土砂崩れが起きているという。同村一関の女性は、家族3人とともに近くのコンビニの駐車場に避難し、車の中で一夜を過ごした。早朝に自宅に戻ったが、家中は物が散乱。電気もガスもとまり、水道も寸断されているという。携帯電話もつながらず、「状況がまったく分からない。余震も続いてこれからどうなるのか」と話した。南阿蘇村観光協会には2016年4月16日午前9時ごろ、「河陽にある二つの旅館で宿泊客らが孤立している」との連絡があった。地獄温泉で約50人、垂玉温泉では17人がそれぞれ旅館の外に避難している。両旅館は東西にのびる道路沿いにあり、東西のいずれも道が通れない状況になっているという。旅館側が炊き出しをしながら、救助を待っていたが、2022年現在は・・・(井森隆) 
 


「横ずれ50キロ」

2022-01-17 00:00:00 | 日記
 2022年1月17日、2016年4月16日未明に起きた熊本県を震源とする地震はマグニチュード(M)7・3で、6400人以上の死者・行方不明者を出した1995年の阪神大震災(M7・3)級の規模だった。強い揺れが局所的だった2016年4月14日夜の地震(M6・5)と比べ、エネルギーは10倍以上で、広い範囲で最大震度6強の激しい揺れに見舞われた。専門家は、複数の活断層が連動して地震が起きたと指摘し、今後も広い範囲で地震が続くことに警戒を呼びかけている。気象庁によると、M7級の直下型地震は、2011年の東日本大震災の余震とみられる福島県浜通りの地震(M7・0)以来。九州地方では、玄界灘を震源とする福岡県西方沖地震(同)が起きた2005年以来、11年ぶりとなる。同庁の解析では、北西と南東方向に引っ張る地盤の動きの影響で断層が水平にずれる「横ずれ型」の地震だった。2016年4月14日の熊本地震や阪神大震災と同じ仕組みだ。八木勇治・筑波大准教授(地球物理学)が地震波を解析した結果、ずれた断層の範囲は長さ約50キロ・メートル、幅約20キロ・メートルに及ぶとみられる。地下の破壊は震源から北東に進み、約20秒間続いたという。今回の震源は、熊本県を東西に横切る布田川(ふたがわ)断層帯(全長約64キロ・メートル以上)の北側に位置する。同断層帯の北東部は、政府の地震調査委員会の長期評価で、30年以内にM7・0の地震が発生する確率が「ほぼ0~0・9%」と予測されていた。震源の南側には日奈久(ひなぐ)断層帯(同約81キロ・メートル)があり、2016年4月14日の熊本地震は同断層帯の一部が動いたとみられる。名古屋大教授(変動地形学)は今回、布田川断層帯の一部が動いたと指摘し、「日奈久と布田川の両断層帯は一連の活断層と考えるのが適当だ。今回の地震は、2016年4月14日以降の地震に連動して起きたもので、長大な断層の一部が動き出したと考えられる」との見方を示す。九州大准教授(固体地球物理学)によると、九州地方の地盤には南北方向に引っ張る力がかかっている。その力の影響で大分から熊本にかけて地盤が陥没している「別府―島原地溝帯(ちこうたい)」が形成されており、日奈久、布田川両断層帯や別府―万年山(はねやま)断層帯がある。地溝帯の南西部から北東部にかけて活動が活発化している。これについて気象庁は2016年4月16日の記者会見で「熊本、阿蘇、大分県中部の3か所で大きな地震が発生した」と述べた。今回の地震を受け、地震調査委は2016年4月17日に臨時会を開くことを決めた。地震活動の原因や、今後の見通しを検討したが、2022年現在は・・・(井森隆)