吾輩も猫である３７ ( 雪より炬燵 )

　炬燵が一番！も・・・
　寒い。先日の寒波で全国的に積雪があり雪遊びをした猫もいると聞く。が、吾輩には炬燵が一番。暖かく、ちょこっと暗くて頗る居心地が良い。たまに主人が「さぶっ」と言って無遠慮に入っては蹴られ、思わず「ふぎゃ～っ」となるのが癪だが・・・。

　不可解な人間の子
　今年の関西は例年になく雪が少ない。先日の寒波でも薄っすら白くなった程度、陽が射すと瞬く間に溶けた。近所の悪童どもは「もう溶けたんかぁ」「つまら～ん」と言うてたが、上等！上等！ ナニが嬉しくて斯くも雪を恋しがるのか、実に不可解。



　わざわざ雪を見に行く？！
　悪童ばかりか主人まで「雪を見たくなったなぁ」と言いだした。妻君に「蕎麦でも食いに行こか」と・・・。主人が「蕎麦」と言えば京都の山奥に決まっている。勝手に行けば！？　吾輩は結構毛だらけ猫灰だらけ。が、妻君「シマ、あんたも一緒に行こ」と。

　怒り心頭
　なんたるちあサンタルチア。なにをさらしのフンドシ。なんで吾輩が雪を見に行かなあかんのや？　蕎麦など美味しいわけないや内科医！ そやおま変化？ 怒り心頭も、如何せん主人夫婦に通じない。「雪も見られ、あんた幸せな猫ちゃんやなぁ」と？　嗚呼！

　やれやれ留守番で良かった！
　不快感まるだしの吾輩に気づいた主人「でもまぁシマは置いて行く」。細君も「シマ、留守番やてぇ、可哀そうやけど頼んだよぉ」。やれやれ可哀そうどころか至福！　人間てジコチュー言うか余計なお世話、英語ではNot your business．Leave me alone．

　山奥の蕎麦処「延」
　主人夫婦が行ったのは和知(京都府)の蕎麦処「延」。女将は「今年は雪がのうてえぇなぁ思てたら、この寒さで今冬の初雪どす」と言うた由。主人はおろし蕎麦にご飯と旬の惣菜の「昼膳」、妻君は色々な味が楽しめる「三色蕎麦」。結構毛だらけ猫灰だらけ。

　和知(京都府)の雪景色


　蕎麦処「延」


　吾輩流に風流を楽しむ
　その間、吾輩はリビングで日向ぼっこしながら庭の蝋梅を眺めていた次第。雪や蕎麦より余ほど幸せであり風流というものである。で、一首。
　『雪見だと？狼狽したる吾輩も置いて行かれて蝋梅を愛ぐ』(しまじろう)