7月15日夕方、呉のホテルに到着。
ここで予想を裏切る事態が発生した。
ホテルというのに食事提供を完全にしていないのだ。
いや、正しくは「ウィークリーマンション」とも称して長期滞在に対応していたのだ。
ホームページでは「カフェ」に見えた部屋はただのフロントに過ぎなかった。
こ、困ったなぁ……最寄りの飲食店から3分はかかるぞ。
とにかく夕食がまだだ。
中心部の商店街「れんが通り」で食事できる店を探す。
とんかつ屋で定食を食べて店を出ると、アーケードの照明がもう落ちていた。
時刻は20時過ぎ。 はやぁー!!
なんて早い時間に眠りにおちる町なのか。
コンビニで翌朝の食事(パン)と低脂肪アイスクリーム、コーヒーを買って部屋に戻る。
また困ったことに、パソコンのレンタルもやっていない。
徹底的にドライなサービスの所だなぁ……
とにかく疲れていた、早く休むに限る。
-----------------------------------
7月16日。 朝が来た。だいたい7時の起床。
6時間以上も睡眠に使ったのは久々だ。
食事提供をしていないのはいただけない(ので、今後使うことは多分ない)宿だが、
「ウィークリーマンション」を謳っているだけに部屋は広いしソファーもあって居心地は良い。
汗を流したらすぐ流せるし、良い滞在ができました。
「この世界の片隅に」を体感する旅、今日は呉の街中を歩いてみたい。
ただこの暑さだ、無理はできない。
はじめはれんが通りにある「呉市民ギャラリー」で地図をいただく。
「この世界の片隅に」が呉のイメージアップに貢献したのは間違いなく、
こんなメッセージも。
「宇宙戦艦ヤマト」を含む漫画家・松本零士氏関連作品の展示もされており、随分懐かしくゆっくりと拝見した。
また、こうの史代嬢の太平洋戦争期を中心とした、別の家族の物語のイメージイラストも展示されており、
こういう家族の歴史があって今の自分が生きていることを思うと、
その血の絆の尊さと自分の不甲斐なさで、思わず込み上げるものを感じてしまった………
この絆のバトンを渡せる子供がいないまま、自分は命尽きてしまうかもしれない。
でも、自分を育ててくれた人々に恥じない生き方を少しでもしたいと思います。
気を取り直して、川沿いを山に向かって歩いてゆく。
すずさんや周作もこの堺川から灰が峰を眺めていたんやね。
夏の花がきれいだ。
川から離れて栄町商店街を歩く。
「あなたの町の電気屋さん」以外はシャッター通りだ。
全国どこの商店街でもそうだろうけど、一定の大きさにない商店街の寂れようといったら……
やっぱりスーパーの大型化を許した「大店法」の規制緩和と、
結果Amazonの大躍進と宅配業の人手不足を招いた通信販売は「罪」だったんだよね。
途中で果汁入り天然水を買う。
広島カープ、今年こそ日本一のチャンスだぞー!
Are you ready ?!
(去年はホームタウンの日ハムがリーグ優勝しちゃったから、
クライマックスシリーズはそちらを応援しちゃったけど)
今西通りを渡ると、いよいよ坂がきつくなる。
そして。
すずさんが長ノ木町の北條家と呉の街とを往復する際に、必ず通った「澤原邸三ツ蔵」が
小さめのスーパーマーケットのそばにひっそりとあった。
歴史を感じる建築物だったんだねー。
この映画&コミックは本当に綿密な下調べに長い時間をかけて作られたことがわかる。
片淵素直監督は6年間も高速バスで東京と広島・呉を往復したそうだ。
その努力がキネマ旬報1位獲得や日本アカデミー賞につながったのだ。
改めて、受賞おめでとうございます。
長ノ木トンネルの道を渡ってさらに上る。
もうここは住宅地なのでそろそろ引き返そうか。
映画の時代と違って今はビルなどの高層建築物が海を隔ててる。
ここで暮らす人も、海を眺められる有難味はどれだけ持っているのだろう。
かなり汗をかいて暑いのなんのって。
引き返そう。
さてお昼。
「呉市民ギャラリー」の方からのお話で“海自カレー”も良いかもしれない。
いろいろ歩いてみたが、写真でうまそうで値段も悪くないのがれんが通りの中の「三河屋珈琲 呉中通店」。
……お、混んでいる。 ただでさえ人気のお店だったのか。
カウンターでオーダーし、料金を先払いする。
あとの用事は特にないので、雑誌を読んでじっくりと待つ。
約30分待って、来ました来ましたこれ。
https://kure-kaijicurry.com/shop/shop09/
美味かったー!!
向かいの席の40近そうなカップルが待ちきれずに怒って金を返してもらって出ていった。
怒っちゃいけません。
ここの主食はパンなのでご飯を炊く時間くらい当たり前に思わなくちゃあ。
夏の街歩きはけっこう酷であった。
部屋に戻って約2時間昼寝をする。
目が覚めて洗濯をしようと2Fのランドリーコーナーを見て啞然。
洗濯&乾燥で1000円!? たっけぇー…
フロントの(ちょっと日本語のヘンな)女性に聞いたら
「あー、高いでショー、そばにコインランドリーアルからそっちが良いヨー」
おいおい、良いんかいそれでー。
ま、汗ビッショリだったし安いならそれも良い。
さて、自分よりも詳細な街歩きをされた記事がありますので、こちらもどうぞ。
「この世界の片隅に 聖地巡礼 ロケ地ガイド」
http://www.gomachan.jp/konoseka.htm
-----------------------------------
洗濯を終えて夕方、
あとは日が暮れるだけなのでれんが通りの映画館「ポポロシアター」へ。
そう、ご当地で「この世界の片隅に」を観るために。
もうご存知とは思いますが、公式ホームページは、
http://konosekai.jp/
ここ数回の上映で思ったこと:
エンディングテーマ「たんぽぽ」で戦災孤児の子を北條家に迎えてからの日々が良い。
その子がすずさんの右手代わりとなってお裁縫を習い、見事にカラフルな洋服を作るようになった。
(ネットの書き込みでは「ヨーコ」となっているが、原作コミックも公式ガイドブックもファンブックでも非公式だ。)
最後のひとコマは北條家のみんなで高台から呉の海を眺める姿に胸が熱くなる。
あと、誰も書かないようだけど、ひとつ気付いた事がある。 すずさんの幼なじみだった水原哲だ。
哲も人の良いおっさんになったようだが、左足が義足になっている(‼)。
一瞬だけだが、釘付けになった。
結果すずさんとは一緒にならなかったが、同じ広島・江波で育った仲だからなのか、
どこかしらで“表裏一体”の絆があったんだろう。
もう二度と会うこともないけど、お互いに一生忘れられない人になったんだろう。
終演後にはこの呉でこの映画を観るために全国からやって来たお客さんのメッセージボードを拝見。
広島県内はもちろん、山口・大分・大阪・横浜・千葉・東京・埼玉、福島・遠くは北海道からも!
ちなみに中国新聞では、別冊「SELECT」で毎週土曜日に原作コミックをサイズ拡大して掲載しています。
ホームページは、
http://www.chugoku-np.co.jp/koudoku/pc/select/index.html
「この世界の片隅に」は、もう一過性のものではありません。
広島県内では「はだしのゲン」に代わる“平和教育教材”として定着している感じさえあります。
全国的にも市町村の公営ホール単位で上映会が開催されています。
自分にとっても大型スクリーンで観た回数が「魔女の宅急便」「ルパン三世カリオストロの城」に
並んだと思います。 (数えてないので断言できないけど)
-----------------------------------
閉館時間の時にはれんが通りのネオンライトも消灯する20時。
美味いお好み焼き屋で夕食をとり、呉観光の1日が暮れた。
まだ続きます。
ここで予想を裏切る事態が発生した。
ホテルというのに食事提供を完全にしていないのだ。
いや、正しくは「ウィークリーマンション」とも称して長期滞在に対応していたのだ。
ホームページでは「カフェ」に見えた部屋はただのフロントに過ぎなかった。
こ、困ったなぁ……最寄りの飲食店から3分はかかるぞ。
とにかく夕食がまだだ。
中心部の商店街「れんが通り」で食事できる店を探す。
とんかつ屋で定食を食べて店を出ると、アーケードの照明がもう落ちていた。
時刻は20時過ぎ。 はやぁー!!
なんて早い時間に眠りにおちる町なのか。
コンビニで翌朝の食事(パン)と低脂肪アイスクリーム、コーヒーを買って部屋に戻る。
また困ったことに、パソコンのレンタルもやっていない。
徹底的にドライなサービスの所だなぁ……
とにかく疲れていた、早く休むに限る。
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7月16日。 朝が来た。だいたい7時の起床。
6時間以上も睡眠に使ったのは久々だ。
食事提供をしていないのはいただけない(ので、今後使うことは多分ない)宿だが、
「ウィークリーマンション」を謳っているだけに部屋は広いしソファーもあって居心地は良い。
汗を流したらすぐ流せるし、良い滞在ができました。
「この世界の片隅に」を体感する旅、今日は呉の街中を歩いてみたい。
ただこの暑さだ、無理はできない。
はじめはれんが通りにある「呉市民ギャラリー」で地図をいただく。
「この世界の片隅に」が呉のイメージアップに貢献したのは間違いなく、
こんなメッセージも。
「宇宙戦艦ヤマト」を含む漫画家・松本零士氏関連作品の展示もされており、随分懐かしくゆっくりと拝見した。
また、こうの史代嬢の太平洋戦争期を中心とした、別の家族の物語のイメージイラストも展示されており、
こういう家族の歴史があって今の自分が生きていることを思うと、
その血の絆の尊さと自分の不甲斐なさで、思わず込み上げるものを感じてしまった………
この絆のバトンを渡せる子供がいないまま、自分は命尽きてしまうかもしれない。
でも、自分を育ててくれた人々に恥じない生き方を少しでもしたいと思います。
気を取り直して、川沿いを山に向かって歩いてゆく。
すずさんや周作もこの堺川から灰が峰を眺めていたんやね。
夏の花がきれいだ。
川から離れて栄町商店街を歩く。
「あなたの町の電気屋さん」以外はシャッター通りだ。
全国どこの商店街でもそうだろうけど、一定の大きさにない商店街の寂れようといったら……
やっぱりスーパーの大型化を許した「大店法」の規制緩和と、
結果Amazonの大躍進と宅配業の人手不足を招いた通信販売は「罪」だったんだよね。
途中で果汁入り天然水を買う。
広島カープ、今年こそ日本一のチャンスだぞー!
Are you ready ?!
(去年はホームタウンの日ハムがリーグ優勝しちゃったから、
クライマックスシリーズはそちらを応援しちゃったけど)
今西通りを渡ると、いよいよ坂がきつくなる。
そして。
すずさんが長ノ木町の北條家と呉の街とを往復する際に、必ず通った「澤原邸三ツ蔵」が
小さめのスーパーマーケットのそばにひっそりとあった。
歴史を感じる建築物だったんだねー。
この映画&コミックは本当に綿密な下調べに長い時間をかけて作られたことがわかる。
片淵素直監督は6年間も高速バスで東京と広島・呉を往復したそうだ。
その努力がキネマ旬報1位獲得や日本アカデミー賞につながったのだ。
改めて、受賞おめでとうございます。
長ノ木トンネルの道を渡ってさらに上る。
もうここは住宅地なのでそろそろ引き返そうか。
映画の時代と違って今はビルなどの高層建築物が海を隔ててる。
ここで暮らす人も、海を眺められる有難味はどれだけ持っているのだろう。
かなり汗をかいて暑いのなんのって。
引き返そう。
さてお昼。
「呉市民ギャラリー」の方からのお話で“海自カレー”も良いかもしれない。
いろいろ歩いてみたが、写真でうまそうで値段も悪くないのがれんが通りの中の「三河屋珈琲 呉中通店」。
……お、混んでいる。 ただでさえ人気のお店だったのか。
カウンターでオーダーし、料金を先払いする。
あとの用事は特にないので、雑誌を読んでじっくりと待つ。
約30分待って、来ました来ましたこれ。
https://kure-kaijicurry.com/shop/shop09/
美味かったー!!
向かいの席の40近そうなカップルが待ちきれずに怒って金を返してもらって出ていった。
怒っちゃいけません。
ここの主食はパンなのでご飯を炊く時間くらい当たり前に思わなくちゃあ。
夏の街歩きはけっこう酷であった。
部屋に戻って約2時間昼寝をする。
目が覚めて洗濯をしようと2Fのランドリーコーナーを見て啞然。
洗濯&乾燥で1000円!? たっけぇー…
フロントの(ちょっと日本語のヘンな)女性に聞いたら
「あー、高いでショー、そばにコインランドリーアルからそっちが良いヨー」
おいおい、良いんかいそれでー。
ま、汗ビッショリだったし安いならそれも良い。
さて、自分よりも詳細な街歩きをされた記事がありますので、こちらもどうぞ。
「この世界の片隅に 聖地巡礼 ロケ地ガイド」
http://www.gomachan.jp/konoseka.htm
-----------------------------------
洗濯を終えて夕方、
あとは日が暮れるだけなのでれんが通りの映画館「ポポロシアター」へ。
そう、ご当地で「この世界の片隅に」を観るために。
もうご存知とは思いますが、公式ホームページは、
http://konosekai.jp/
ここ数回の上映で思ったこと:
エンディングテーマ「たんぽぽ」で戦災孤児の子を北條家に迎えてからの日々が良い。
その子がすずさんの右手代わりとなってお裁縫を習い、見事にカラフルな洋服を作るようになった。
(ネットの書き込みでは「ヨーコ」となっているが、原作コミックも公式ガイドブックもファンブックでも非公式だ。)
最後のひとコマは北條家のみんなで高台から呉の海を眺める姿に胸が熱くなる。
あと、誰も書かないようだけど、ひとつ気付いた事がある。 すずさんの幼なじみだった水原哲だ。
哲も人の良いおっさんになったようだが、左足が義足になっている(‼)。
一瞬だけだが、釘付けになった。
結果すずさんとは一緒にならなかったが、同じ広島・江波で育った仲だからなのか、
どこかしらで“表裏一体”の絆があったんだろう。
もう二度と会うこともないけど、お互いに一生忘れられない人になったんだろう。
終演後にはこの呉でこの映画を観るために全国からやって来たお客さんのメッセージボードを拝見。
広島県内はもちろん、山口・大分・大阪・横浜・千葉・東京・埼玉、福島・遠くは北海道からも!
ちなみに中国新聞では、別冊「SELECT」で毎週土曜日に原作コミックをサイズ拡大して掲載しています。
ホームページは、
http://www.chugoku-np.co.jp/koudoku/pc/select/index.html
「この世界の片隅に」は、もう一過性のものではありません。
広島県内では「はだしのゲン」に代わる“平和教育教材”として定着している感じさえあります。
全国的にも市町村の公営ホール単位で上映会が開催されています。
自分にとっても大型スクリーンで観た回数が「魔女の宅急便」「ルパン三世カリオストロの城」に
並んだと思います。 (数えてないので断言できないけど)
-----------------------------------
閉館時間の時にはれんが通りのネオンライトも消灯する20時。
美味いお好み焼き屋で夕食をとり、呉観光の1日が暮れた。
まだ続きます。