みかんのつぶやき。植物とか妄想とか愚痴とか情報のゴミ。

芥川賞作家 西村賢太さん

西村賢太さんが54歳という若さで

逝去されたという知らせに

ショックを抑えられない。


タクシーに乗車中、意識を

失い病院にて亡くなられたらしい。


デビュー作の

「どうで死ぬ身のひと踊り」

は心酔する小説家への狂気を

含んだかのような傾倒、

そして男の性(さが)が

生々しく描かれていた。

激しい嫌悪感を生じさせる場面

も随所に出てきて怯んだ。

ご自身でおっしゃったように

小説は作者自身の血と涙で

描かれていなければならぬという

心意気が感じられた私小説だった。


芥川賞を受賞した

「苦役列車」

飄々としてユーモラスな文章。

自分を“ぼく”表現しているところも

滑稽さを増す。

人間誰しも自分には気がつかない体臭や

劣等感を隠し持ってはいると改めて

突きつけられたような気がする。

面白くてやがて悲しい、または、

悲しくてやがて面白いという気分になった。


西村賢太さんのご苦労を考えると

小説を書くための生い立ちだった

のかも知れないと思う。


これから、まだまだ小説を

世に出したかったことだろうに、、合掌。


コメント一覧

068336みかん
sin_chiseinooca2さんへ

西村さんは一貫して私小説に
こだわった方でした。

主人公はどうしようもない暗部を
晒してもいました。

その主人公はこの世には存在しない私の弟、息子、
もう一人の私のように感じていました。

けれど、文章はとても端正で何時か
私小説ではない作品が読みたいなと
思っていました、、、残念です。
sin_chiseinooca2
芥川賞受賞というので
『苦役列車』の本も買って読み、
昨年だったかGYAO無料で
映画(森山未來主演)も観ました。
あまりにも哀しくて
後味のいいものではなかった印象でしたが
>小説は作者自身の血と涙で
>描かれていなければならぬ
というのは分かります。
人の心の深奥に響く作品は
そうなのだと思います。

こんなにあっけなく逝かれるとは!
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る