早速,いそいそと出かけて写真を撮っていたらそこにマスク警察ならぬ野草警察が現れた。
その山の近くに住む高齢の方たちらしい。ちょうど集団で山に登って降りようとしているところだった。
竹林の斜面にアキザキヤツシロランは咲いているのだが、
「そんな斜面をズカズカと歩いてせっかくの植物を踏みつけるのか」「あんたたちのようなよそ者が来てわざと杖で地面を混ぜて滅茶苦茶にした」等と厳しい声が次々に飛ぶ。
「地面をよく見て歩いています」「地元の方々もこの斜面を登ったのでしょう。だから見つけたのでしょう。地元の方はよくてよそから来たものはだめなのですか。」「よそ者全員がそんな事をすると決めつけるのはよくないと思います」
等と弱々しく反論するが野草警察の勢いは増すばかり。
ちょっとした恐怖を感じてさっさと立ち去り山を登った。
登山中は非常に気分が悪かった。
ふん、こんなこともう二度と来るもんか。
そんなに言うなら立ち入り禁止のテープでも張って置くかどっかに隠して置けばいいものをと腐りながら下山中、さっきの場所に着いた。
誰もいない竹林にアキザキヤツシロランがエイリアンが口を開けたように咲いていた。
地元の方の気持ちもわからないでもないけれど、行き過ぎた言動は憎しみを産むよね。
アキザキヤツシロラン、もう君には会いたくはない。
希少な野草を追いかけるのはやめることとした。
正面の君
横顔の君
開きかけの君
蕾も沢山
蕾