天空海闊

空蝉(うつせみ)

小雨を背に受け

わたしは怒ったように

刈ったばかりの木の枝を

ガンザキで掻いた

雨脚が強くなり

道具を片付けていると

足もとに 蝉の抜け殻が

雨に打たれ ぽつんとある

まだ枝に付いていたのか・・

その夏の余韻を手にのせ

前足のするどさに触れてみた

だが それは

妙にやわらかく

冷たく

わたしはおもわず

打ち捨てた



できなかったことの

後悔だけを残し

夏はついに

幕を閉じた



*思い出のサントロペ



50代ブログ 









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