「故郷は遠きにありて思ふもの」との名言がありますが、私たちすべては、故郷を後にしたような存在だな、と時々感じることがあります。
世間知らずな娘時代
女学校で何度も練習したあの歌
友たちの顔も若いままだ
休み時間
皆と笑いながら草原に寝転び
青空をぼんやりながめ
さわやかな空気を思いっきり吸いこむ
その幸せな時代も
美しいふるさとも
戦争やその後の不条理な人生のために
シャボン玉のように消えてしまい
あの歌が
青春との別れを予告することになろうとは
Yピエロさんの随筆より
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カセットから
その歌を聴く
彼女の涙に
不思議なことに
青春の美しさや
瑞々しさ
そして
ある種の希望さえ感じるのだ
もう・・
枯れ枝のようになったと云うのに
※この歌には以下、諸説あり
ドイツ語の原曲『Der letzte Abend』の歌詞「最後の夜」では、何かの事情で好きな女性と結婚できず、彼女と別れた最後の夜を嘆き悲しんで、彼女の幸せを願うという悲恋の歌となっている。日本での歌詞では、別れを告げるというその対象が女性ではなく、自分の生まれ育った故郷の懐かしい情景に向けられている。
もともとは、ドイツ南西部にあるシュヴァーベン地方のシュヴァーベン語による民謡で、兵士が愛する女性を後にして出征して、また故郷へ戻ってくる時には結婚しようという内容で、若いドイツ兵の間で密かに歌われていたとも言われている。(別説に、ドイツの伝統に従った職人修行に出るため故郷を離れる若者が、恋人へ別れを告げる内容とも)