わたしは父親と銭湯に行くのが嫌だったその痩せて弱々しい体を見たくなかった当時は銭湯が普通であり周囲の目も気にしていたのだ度が過ぎる酔狂やら日頃の無養生を曝すようでおい行こうや掛け声があると気が重たくなったしかも大抵酒臭かったしかしなぜか断ることはなかった父親も私を嫌っているとそう思った瞬間が幾度かあり変なあだ名を付けられた時それは強い思いになっていたそれなのになぜわたしを銭湯に誘うのか何時も弟よりわたしに声をかけてくるのだ (続く)