天空海闊

親父


わたしは父親と銭湯に行くのが
嫌だった

その痩せて弱々しい体を見たくなかった

当時は銭湯が普通であり周囲の
目も気にしていたのだ

度が過ぎる酔狂やら
日頃の無養生を曝すようで

おい行こうや

掛け声があると気が重たくなった
しかも大抵酒臭かった

しかしなぜか
断ることはなかった

父親も私を嫌っていると
そう思った瞬間が幾度かあり
変なあだ名を付けられた時
それは強い思いになっていた

それなのに
なぜわたしを銭湯に誘うのか

何時も弟よりわたしに声をかけてくるのだ

(続く)

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