天空海闊

幻その2

あの施主さんと新たな契約をした元請の社長

わたしに満面の笑顔を見せながら

施主さんに挨拶

「昨日はありがとうございました」

『あ あれ やめた』

「はい?」

『良く見たらあんたの言ってたことが書いて無かった』

「そんなはずありませんが」

『この部分もすると云ってたけど書いてなかった』

「予算内では無理だと念を押しておりましたが」

『聞いてない』

で終わり

はい キャンセルです

手前勝手に聞き

見て 語り

生き延びてきたのだろう

 

・・にしても

社長は孤独な稼業なのだ 

うしろ姿に哀愁が滲む

 

 

愛の幕切れ

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