天空海闊

はじまりの物語

秋になってずっと

木の葉と遊んでいたんだ

広っぱの草も全部揺らし

その向こうにある

林で一番高い木のてっぺんの葉も

ヒュウと落としたよ

それからどんぐりもいっぱい落とし

誰が早いかって

みんなで競争したんだ

リスたちもおどろいて

巣穴にかくれ 顔だけ出してたよ

それからそれから・・

もっと沢山のみんなとわらったり

追いかけっこしたり

それからそれから・・

もうどのくらい経ったのか

忘れてしまった

でも一番気がかりなのは

あのどんぐりの木の下で

ショボンとしていた小さな男の子

目から大粒の涙が出ていた

その涙には

この世界 そう

楽しいこの世界にはない

ふしぎな物語がありそうで

ここから離れ

その子のそばにいようと

決めたんだ

そこで咲き よろこんで

散って逝こうと・・

でも あの温かくて小さな部屋の

外から聞こえてくるモノ音で

少し後悔したんだ

みんなと同じようにね

 

 

 

小さな旅

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