天空海闊

山頭火の句

編集中

 

• どうしようもない私が歩いている


雑踏の中

ふと、あの面影を追っている..


 


 

 

•秋風の石を拾ふ

 

 

長旅の心を反映したように、峠の途中でわらじの紐が切れました。
一人旅の山頭火には秋の深まりは身に沁みます。

身から出たサビとは云え、温もりが欲しくなります。
そのとき、ひとつの小さな石が目にとまります。

ただ無言でひっそりと秋風にさらされただけの石ころ・・
山頭火はそれを思わず手にし、ぎゅっと握りしめます。
せめて孤独な者同士、束の間の温もりを・・

懐に入れると、何かを噛みしめるように又旅を続けます。
その足元で、一瞬枯れ葉が舞いました。

 

 

•風の中おのれを責めつつ歩く

 


己が背負ったもの

それから逃れることはできない

でもへっちゃらな顔をして

歩いている

あの山頭火のように

ひょうひょうと・・・

それでも

忘れたはずのことを

ふと思い出す瞬間がある

そして

悲しくなり

自分を責める

しかし それもまた

新しいプロセスに

近づいた証なのかもしれない

怒りつづけることから

泣きつづけることから

穏やかな道の入り口に

やっとたどり着いたのだ

己を責め ゆるすことで

人はふたたび

歩くことができる

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