悪く言えば
男の我がままを通した生き様は
葬儀のときに結実する
日ごろ愛嬌が良いが
怒れば鬼神のような大男が
オヤジよー
棺にすがりつき嗚咽する
花が家の周りでは足らず
ズラリと国道沿いに並んだのをみて
人や車が何事かとこちらを見る
そのとき空に二重の虹が架かった
それは偶然ではないと
後日母親が語っている
哀しい歴史があり
普通では渡れない処を
渡ったこと
両側の架け橋に成ったこと
を意味するが
あなたたちには今はわからない
でも判るときがきっと来る
男の器量と
それを赦した女の器量
そのどちらにも向けられた
虹であったが
それがわかったのは
比較的最近である