彼女は偉大な戦士であった
愛する者が鬼と化しても
なお信じ
その魂に触れようとした
秒針が動くごとに
苦痛が増す
孤独で
絶望的な戦いに
日々小さな体で
逃げずに臨んだのだ
年下を思いやり
鎖につながれた子犬の瞳の奥に
希望を探し
その鼻に
自分の鼻を押し当てるのが
たったひとつの休息で
勇気をためる瞬間であった
だがその健気さは
最も残酷に終えた
その勇気に答え
その重さを担える者は
誰もいない
#背景
ある虐待死事件で、当時の近所の目撃談から感じたこと
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