天空海闊

みすヾ 2編

土と草

かあさん知らぬ
草の子を、
なん千万の
草の子を、
土はひとりで
育てます。

草があおあお
しげったら、
土はかくれて
しまうのに。




こッつん こッつん
ぶたれる土は
よいはたけになって
よい麦生むよ。

朝からばんまで
ふまれる土は
よいみちになって
車を通すよ。

ぶたれぬ土は
ふまれぬ土は
いらない土か。

いえいえそれは
名のない草の
おやどをするよ。




この季節・・・ひたすら芽はのび
葉も殖え、花が次々と咲き乱れます。
私たちの多くはこの世界の美しさに改めて
驚愕し、それが味わえる幸運に感謝します。

それでも、土にまで想いが及ぶことは
ほとんどありません。

しかし、みすヾの視点は見えない場所
隠された場所に容易に到達します。

海の底にまで・・

そして、私たちの命が実はこのような
見えない場所、取るに足らないような存在
が支えていることを思い出させてくれます。

それらは裏方の役目を嬉々として果たす、
実に個性豊かで神々しい存在なのです。

コメント一覧

又じい
本当は解説など不要ですが、
自己満足の世界へまっしぐらです。


オリーブ
すばらしい!感動しました。けど…またもや又三郎の解説を読んでからのことでした(〃_ 〃)ゞ ポリポリ
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