天空海闊

潮騒のモニュメントⅡ

 

島にしばらく

足止めされていたわたしは

浜に出て

咆哮する風に

明日の手がかりを探した

するとその灰色の中に

真っ白いものがある

目を凝らすと

白い服をきた若い女が

渚で髪を梳いている

グルグル渦を巻く風に

長い黒髪をたなびかせ

波が激しく岩肌に打ち付け

足もとに猛々しく寄せているのも 構わず

延々と梳いているのだ

 「なぜこんな海で?」

不思議に思いながら

どれぐらいその光景を観ていたであろう

わたしはなぜか

異様なもの

観てはいけないものをみてしまったような

感覚に襲われた

 

それは悩ましく

わたしを打ち据える

白い墓標であった

 

 

Histoire d'O

  

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