島にしばらく
足止めされていたわたしは
浜に出て
咆哮する風に
明日の手がかりを探した
するとその灰色の中に
真っ白いものがある
目を凝らすと
白い服をきた若い女が
渚で髪を梳いている
グルグル渦を巻く風に
長い黒髪をたなびかせ
波が激しく岩肌に打ち付け
足もとに猛々しく寄せているのも 構わず
延々と梳いているのだ
「なぜこんな海で?」
不思議に思いながら
どれぐらいその光景を観ていたであろう
わたしはなぜか
異様なもの
観てはいけないものをみてしまったような
感覚に襲われた
それは悩ましく
わたしを打ち据える
白い墓標であった