天空海闊

冬の思い出(2)

イブは特別胸が高鳴った。

その日、我が家では赤と銀色の紙製の長靴(菓子入れ)が
定番として登場、夕方までには親が買っていた。
夕食後、靴に入っていたビスケットやキャラメル
を食べる。そしてその頃見ていたテレビ番組
「まぼろし探偵」や「ライフルマン」などの
一つを見ると、いつもより早く寝床に着いた。

もちろん、例の長靴を寝床近くに掛ける行事を忘れる
ことは無い。子ども同士、否が応でも期待に胸が
高鳴る。

明日には何が入っているかな?
本当にサンタクロースが来るのかな?
寝たふりして見てみようかな?

そんなことを話しながらも、遂に寝込むのだが、
次の朝、なぜかいっせいに目が覚めた。

長靴に目をやると菓子の一部がみえたりしている。
皆で、わぁ~・・と言いながら出して見ると、
なぜか、昨夜食べたキャラメルなどが入っている。

親の収入が良いとき?は、ブリキのおもちゃなどが
入っていて、喜びは大きくなった。

実にささやかではあったが、かけがえの無い夢の時間
、見えない世界や存在へ誘われた瞬間であった。

・・やがて私にもその日は来て、世界にはからくりが
あることを知ることになった。

妹たちにはその日がいつだったのか、まだ聞かずにいる。
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