雄一郎の半生
16才の年に訓練校に入りました。
そして、通学の為に、15年生まれ
育った村を離れて、母の経営する、
ホテルに住み込みをして、ここから
バスで訓練校に通うことになった
のです。
訓練校は、いろんな人たちが一緒
に技術を身に付けに集まって
いました。しかし、私も含め
落ちこぼれも多く集まっています。
この一年の間には、今まで話には
聞いても実際には見てないこと
なども、目の当たりにしました。
電子科には男子が30人ほどで
教官は男性2人が担当しています。
当時19歳の同期生が、
ある日の朝、顔色が蒼く、
ろれつが回らない状態で
教室に入ってきました。
学生服の前ボタンをはずして、
何かを上着の中に入れている
様でした。
授業中にもその学生服から、
ビニールをちょろちょろ出して、
口をくつけています。
当時、シンナー遊びが流行り
だした頃でこの同期生は、
シンナーを吸っていたのです。
もちろん、教官も分かって
いたのでしょう。休憩時間に
職員室に呼ばれて、本人が
帰ってくると、
いきなり、「俺はもう辞める」と
言い出し、この日を境に教室に
現れませんでした。
パチンコの好きな生徒もいました。
休み時間になると、どこの
パチンコ店は今玉を
だしている。ことの、明日は
開店だ。とかいう話ばかりで、
あまり、儲かったとかいう
話はなかったでした。
私のいた電子科の下の階には、
旋盤などの技術を養成する科が
あり、その科からよく、遊びに
来ていたI君がいました。
ケンカが強く、一つ上の生徒
からケンカを売られたときに、
牛乳瓶を割り向かったとか、
私より背が高く、ほっそりとして
いますが、面白い生徒で同じ年
でした。そしてこのI君との出合いが、
私のこの後の人生を
大きく左右したのです。
次回につづく