百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「43」
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号043
作者:権中納言敦忠
author of waka:THE IMPERIAL ADVISER YATSU-TADA(CHŪ-NAGON YATSU-TADA)
原文
逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり
(あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり)
現代訳
このようにあなたに逢ってからの今の苦しい恋心にくらべると、会いたいと思っていた昔の恋心の苦しみなどは、何も物思いなどしなかったも同じようなものです。
英訳
HOW desolate my former life,
Those dismal years, ere yet
I chanced to see thee face to face
’Twere better to forget
Those days before we met.
Yatsu-tada was a member of the great Fujiwara family, and is said to have died in the year 943,
It is interesting to note in these illustrations, as in nearly all old Japanese pictures, that the artist either takes off the roof of the house or removes part of the wall when he wishes you to see what is going on indoors.
解説
権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ・延喜6年~天慶6年 / 906~943年)は醍醐、朱雀の両朝に仕えた左大臣・藤原時平の三男で、藤原敦忠(ふじわらのあつただ)のことです。
敦忠は和歌に優れ、三十六歌仙のひとりとして藤原公任が挙げていますが、源博通と並び琵琶の名手であったとも伝えられています。
「後撰和歌集」などに多くの和歌が残されていて、蔵人頭、参議を経て、九四二年、従三位中納言になっています。
敦忠は右近と愛し合っていましたが、この和歌は、その右近への思いを詠んだものと言われています。
恋心がさらりと詠まれていますが、逢う前と逢った後の物思い、それが、この和歌にさまざまな余情を与えています。
★おススメ本★
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号043
作者:権中納言敦忠
author of waka:THE IMPERIAL ADVISER YATSU-TADA(CHŪ-NAGON YATSU-TADA)
原文
逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり
(あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり)
現代訳
このようにあなたに逢ってからの今の苦しい恋心にくらべると、会いたいと思っていた昔の恋心の苦しみなどは、何も物思いなどしなかったも同じようなものです。
英訳
HOW desolate my former life,
Those dismal years, ere yet
I chanced to see thee face to face
’Twere better to forget
Those days before we met.
Yatsu-tada was a member of the great Fujiwara family, and is said to have died in the year 943,
It is interesting to note in these illustrations, as in nearly all old Japanese pictures, that the artist either takes off the roof of the house or removes part of the wall when he wishes you to see what is going on indoors.
解説
権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ・延喜6年~天慶6年 / 906~943年)は醍醐、朱雀の両朝に仕えた左大臣・藤原時平の三男で、藤原敦忠(ふじわらのあつただ)のことです。
敦忠は和歌に優れ、三十六歌仙のひとりとして藤原公任が挙げていますが、源博通と並び琵琶の名手であったとも伝えられています。
「後撰和歌集」などに多くの和歌が残されていて、蔵人頭、参議を経て、九四二年、従三位中納言になっています。
敦忠は右近と愛し合っていましたが、この和歌は、その右近への思いを詠んだものと言われています。
恋心がさらりと詠まれていますが、逢う前と逢った後の物思い、それが、この和歌にさまざまな余情を与えています。
★おススメ本★
A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu | |
Tuttle Pub |
図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化) | |
河出書房新社 |
百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! ) | |
歌林苑 |
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
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