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合言葉はヒュッゲ

映画 アンダーグラウンド

うう、噂通りのすごい作品だね。幻の国ユーゴスラビアが長き内戦を経て崩壊する姿を、ちょっとファンタジーを交え、ちょっとシニカルに描いてる。

3時間と長丁場だけど、多分3時間では足らないくらいの情熱が注がれている。

ユーゴスラビアは、一度死んでまた蘇りながら、結果的にまた死んだ伝説の国。一つの国土にいくつかの言語や民族、宗教が混ざっていたためか、化学反応を起こし常に争いが勃発し、遂には空中分解した。

そりゃあ、まとまらないよね。船頭多けりゃ船沈むって諺あるし。

物語の主人公はマルコとクロ。二人は共に共産党員で親友だった。戦火を避けるためにアンダーグラウンド、つまり地下へと家族達を避難させながら、武器を作らせていた。マルコはクロを利用しながら私服を肥やし、自分だけ出世。戦争が終わった事も知らせず、ずっと皆を騙していた。

このマルコ、とっても悪い奴だけど、根っからの悪党でもない。
悪事がバレ、弟イバンに殴り倒され車椅子で逃げ惑う。その後、イバンは自ら生命を絶った。イバンって、兄マルコとは正反対の繊細で自罰的な人間だったね。

クロの息子はヨバンと言う名で、自分を産み落とし死んで行った母の顔を知らずに地下で育った。青年となり、結婚式を挙げたのに、地下が爆破され、青空にさらされ今まで知らなかった外気に触れる。ヨバンがいなくなったと悲観し井戸に飛び込む花嫁とあの世で再会でき、結婚式もやり直し。
今度は地下でなくユーゴスラビアという天国で。

マルコを憎んだクロも「許す。だが忘れんぞ」
とマルコの謝罪に優しくきっぱり。
この映画の本質を飾る印象的なセリフでした。
しかし、イバンとヨバン。名前も顔も似すぎだっつーの。ややこしくて見分けるの大変だった。マルコとクロも何気に似てて、え?この人どっちだっけ?と首傾げながら観てたよ。

ロシアとウクライナの戦争もいつか、なんらかの形で終結し、映画になる時代が来るのかな。


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