今年の10月は天気と休みがなかなか合わず、自分が運営しているツーリング部の定例ツーリングも雨で中止になってしまいました。
30日が休みだったのですが、やっと天気に恵まれて紅葉ツーリングに出かけました。
ひとりで出かけるときは、あえて高速道路を使わずに一般道のみで行くことが多いのですが、電車でいえば各駅停車の旅的な感じで、好奇心をそそられるものを見つけるとすぐにバイクを停めたり、脇道に入っていってしまうことを楽しんでいるためです。
今回も国道246号から須走~山中湖~御坂みちで甲府盆地に入り、目的の紅葉スポットを茅野市内に絞り込んで国道20号(甲州街道)で長野を目指しました。
甲府を抜けるとそれまで曇っていた空が晴れてきて、周辺の山々の紅葉している様子が青空に映えるようになってきて、左手には南アルプス北東部に位置する鳳凰三山(地蔵ヶ岳・観音ヶ岳・薬師ヶ岳)と甲斐駒ヶ岳が見え隠れするようになってきました。
写真は4月に立ち寄った北杜市武川町にある「水車小屋と武藤亜山の句碑」から撮った鳳凰三山(水車小屋左側)と甲斐駒ヶ岳です。
このときも「鳳凰三山」の案内板を見て国道を外れてみたら、このような風景の場所に出会いました。
やがて右手前方に八ヶ岳も見え始めました。
青空がどんどん広がってきて、美しい紅葉を堪能できるのではないかと期待が膨らみます。
富士見町で甲州街道に別れを告げて北上し、八ヶ岳西麓広域農道(通称八ヶ岳エコーライン)に入りました。
エコーライン入り口で写真を撮ってると、後続のライダーが片手を挙げて挨拶をして通り過ぎていきます。
ツーリング中の何気ないコミュニケーションも楽しみのひとつです。
エコーラインは、交差する八ヶ岳ズームライン(ふるさと農道)とともに、景色の良い標高1,000m前後の田畑や里山を緩やかなカーブと長い直線で走り抜ける全長16.2kmの気持ちの良い道路です。
視界の開けた場所では、東に南八ヶ岳から北八ヶ岳を経て蓼科山に至る大火山群が一望できます
こんな天気がよくて八ヶ岳がよく見えるときには「富士山と八ヶ岳の背比べ」の民話が頭に浮かびます。
http://www.fujigoko.tv/furusatocal/mukashi/act01.html
また、西に目を向けるとなだらかな車山がよく見えます。草山でスキー場に適した雰囲気がよくわかります。
エコーラインを10kmほど走ってから、右折して奥蓼科方面へ向かい県道191号で最初の紅葉スポット「御射鹿池」に向かいました。
標高約1,500mの山中にある農業用の溜池ですが、水温が低すぎる八ヶ岳から流れてくる水を温めて稲作に利用するために作られたのだそうです。
静かな水面には周囲の風景が映り込み幻想的な雰囲気が漂います。
日本を代表する画家である東山魁夷の「緑響く」のモチーフになったことでも知られています。
下の絵は「緑響く」
実は8月29日のマスツーリングでも立ち寄ったのですが、紅葉が美しいと聞き再訪しました。
下は今回の写真。
平日にも関わらずGO TOの影響か駐車場は満車で渋滞していました。
ひとしきり、周辺を散策した後、バイクを駐めたまま近くの明治温泉に向かい、脇を流れる横谷渓谷・渋川を滑り落ちる「おしどり隠しの滝」に移動しました。
ちょっと変わった名前の滝なので、なにか由来があるのかと思って調べましたがわからず...
横谷渓谷内の四滝の中では最上流に位置し、秘境の雰囲気が漂う紅葉の中を、長い距離を滑り落ちる渓流瀑は見ごたえがありました。
再びバイクに戻り、奥蓼科を最上部近くまで登ってから狭く路面が荒れた脇道を抜けて、国道299号(メルヘン街道)に出ました。
ここから茅野方面へ下り、3つ目の紅葉の名所「横谷観音」に向かいます。
メルヘン街道から横谷観音に向かうアクセス道路が、既に紅葉の回廊となっていて良い雰囲気。
横谷観音展望台駐車場にバイクを駐めました。駐車場の展望台も絶景なのですが、更に5分ほど歩いて横谷観音に到着。
正式な名称が「横谷聖観世音菩薩立像」で、拝観すると台座から足もとが白っぽく変色した観音像が。
昭和十年代に作られたそうですが、伊勢湾台風の被害で風雨にさらされて変色したそうです。
さて展望台からの景色ですが、茅野市街地方向に眺望がひらけ見渡す限りの山の木々が紅葉している様子は、なかなか壮観でした。
背景には南アルプスや中央アルプスも遠望できました。
足もとには横谷渓谷の王滝も見えました(望遠で撮影)。
駐車場に戻るとお昼を過ぎていて、駐車場の一角に小さな屋台そば兼カフェがあったので、ここでお昼をいただきました。
その名も「蓼科天空の屋台そば・観音そば」
イメージは「駅そば」「屋台蕎麦」の立ち食いだそうですが、蕎麦は信州そば。
風弱く穏やかな日差しの中、外のベンチで「冷がけのりたぬきそば」をいただきました。
標高の高いこの場所での営業は11月8日まで。以降は冬眠に入るそうです。
お腹を満たすと、メルヘン街道を下ってビーナスラインに入り、4つ目の紅葉の名所「蓼科湖」へ。
旧蓼科レジャーランドの跡地に設置された道の駅「ビーナスライン蓼科湖」にバイクを駐めて、紅葉に彩られた湖岸を散策しました。
今年の7月17日にオープンした「ビーナスライン蓼科湖」は茅野市初の道の駅。
ガラスと木材を多用した公衆トイレ・休憩展望室が整備され、地元農産物の直売所「蓼科農家」では新鮮な野菜が売られ、八ケ岳中央農業実践大学校の牛乳など地元素材にこだわったソフトクリームが人気の「蓼科アイス」が人気です。
恒例のソフトクリームは蓼科アイスで食べましたが、紅葉まつりのおまけで地元産「みかりのいちご」をもらいました。
紅葉シーズンになると日も短くなり急激に気温も下がるので、この日のツーリングはここで帰路につきました。
茅野市街から甲州街道に出て来た道を戻ったのですが、山中湖近くの籠坂峠でシカ4頭が直前を横切るハプニングもありました。
今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。