森に眠る魚 (双葉文庫) | |
角田 光代 | |
双葉社 |
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説。
いやぁ・・・やっぱ角田光代は面白い(笑)面白くてめちゃ怖い。彼女の作品は「対岸の彼女」「空中庭園」「八日目の蝉」など、読んできましたが、ひょっとしたら「ハマリ度」で言えばこの作品が一番かも。
この物語は10年ほど前に起こった文京区幼女殺人事件(音羽お受験殺人事件)をモチーフにしていることは明らかなのですが、子育て期間中の専業主婦たちの抱えている心の葛藤を描き、個としての自分自身ではなく、「○○ちゃんのお母さん」「○○さんの奥さん」と言った部分でしか評価してもらえない時期の女性心理をえぐるように描いています。
最初はね、ちょっと読みづらいんです。5人のママ友が主人公。その名前とキャラクターを覚えるのに何度ページを後戻りしたことか。
登場人物は繭子、容子、千花、瞳、かおり・・・それぞれの旦那と、それぞれの子ども。そしてかおりの不倫相手(笑)とかおりの元同僚。
まず最初に10ページほどでそれぞれの現状を描き、物語の中心である数年間を描き、最後にまた10ページほどで最初と殆ど何も変わらない現状を書いています。まあ、一悶着あったけど、結局はみんな幸せになったのかもしれません。
「身の丈」を知ることこそがささやかな幸せをつかむコツなのかもしれませんね。
はい、まだ読んでません、すいません(滝汗)。←先に言ってるし
次の次の次くらいに読もうかと…。←おーい!
なかなか読み応えのある作品でした。
しかしこれって現役の子育て世代には読ませたくないかも(笑)