極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

ほんと胸が痛くなります。

2009-02-21 19:27:28 | BOOKS
新潟少女監禁事件 密室の3364日 (朝日文庫)
松田 美智子
朝日新聞出版

このアイテムの詳細を見る


消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)
豊田 正義
新潮社

このアイテムの詳細を見る


アベンジャー型犯罪―秋葉原事件は警告する (文春新書)
岡田 尊司
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る



 重大事件に関する本がこのひと月のうちに3冊出版されました。もちろん、私が気になる事件に関しての本なので、実際はこういった「実録モノ」はもっと出ているんでしょうが。

 この3冊はすでに結審して犯人が服役中のもの、犯人が控訴し最高裁までいくもの、まだ裁判すらはじまっていないものの3つの事件ですが、「日本の現在」を語る上で忘れられない、衝撃的な事件3つに関するものです。

 「新潟少女監禁事件 密室の3364日」はかつて、この事件とテーマが似ている「女子高校生誘拐飼育事件」を書いた松田美智子の作品です。この「女子高校生誘拐飼育事件」は「完全なる飼育」というタイトルで 竹中直人、小島聖を主演に迎え映画化されました。著者の松田美智子は故松田優作の前妻です。

 事件のあらましは・・・
 
 2000年1月28日、新潟県柏崎市の加害者宅に別件(母親への暴力)で訪れた職員が、中にいた女性を発見・保護に至り、発覚した事件。
女性は小学校4年生だった1990年11月13日、新潟県三条市で下校途中に行方不明になっていた。実に9年2ヶ月にのぼる誘拐監禁事件であり、社会に多大な影響を与えた。保護されたとき、被害者の女性は19歳で、PTSDと診断され現在も療養しながら生活を送っている。
 加害者(犯行当時28歳)の裁判では、男が問われた監禁致傷罪と窃盗罪を併せた併合罪の処理が争点となり、最高裁まで争われた。現在、男は懲役14年が確定し、服役中。  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


 いくら罪を「併合」させても、たった14年の懲役刑にしかならない憤りもかんじながら、確かに「命」は奪っていないしなぁ・・・って気もするわけですね。法律というものは人情とはかけ離れているものであると言うこと。しかし、やはりそうあるべきだなとも思うんです。人の命の重さと軽さはその亡くなった原因でこんなに違うんですね。この被害者が死んでいたら・・・もちろんその死因によってもちがうんですが、犯人は極刑を免れないと思うんです。

 しかし・・・交通事故などでよほどの要因(酔っ払い運転など)でない限り、仮に被害者が亡くなったとしても、そんなに罪に問われない場合もあるわけですね。



 
 「消された一家―北九州・連続監禁殺人事件」は、この本を読まないとまったくわけがわからない事件なんですが、あまりにも酷すぎる・・・なんて簡単に言いたくないくらいの事件でした。これもちょっとあらましを

 北九州監禁殺人事件(きたきゅうしゅうかんきんさつじんじけん)は、2002年(平成14年)3月に北九州市小倉北区で発覚した監禁、殺人事件である。

家族に殺し合いをさせ、児童にまで殺人や遺体の解体を行わせており、世界的にもほとんど類をみない残虐な事件と言える。あまりの残虐さに、第一審で検察側は「鬼畜の所業」と容疑者男女を厳しく非難した。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 ここではこのくらいにしておきますが、本当に酷い事件です。
一審では両被告死刑判決、控訴審では男性が死刑、女性を無期懲役とし、男性側と女性の刑が甘いとされる検察側が上告し、いまは最高裁で審議中の事件です。

 この本は犯人の女性側の証言を元に構成され、確かに女性をかばう感じは否めませんが、作者の文章にもありますが「DV」による精神的崩壊を第一審はまったく考慮していないように思えますし、この男が彼女の前に現れなければ、自殺をした人を含めて8人の命が奪われることはなかったわけなんですね。
 そして、確かに精神的に壊れていたとしても、二審で無期懲役に刑が減らされた女性は自分の手で親族をあやめたことも確かなんですね。

 この地獄から逃げ出した当時17歳の少女の勇気がなかったら、犠牲者はもっと増え、そして事件もまったく暗闇のままだったかもしれません。

 それにしても・・・この事件は本当に気分が悪くなります。
人間はここまで鬼畜になりえるのでしょうか?


 「アベンジャー型犯罪―秋葉原事件は警告する」は文字通り、昨年起った「秋葉原通り魔」事件を中心に、「アベンジャー(復讐者)」による犯罪を書いた作品です。実は、この事件が一番恐ろしいのかもしれません。あの日あの場所を歩いていなかったら、事件に巻き込まれなかった・・・そういった事件がこの数年あまりにも多すぎます。

 「アベンジャー」という映画もありましたが、「復讐者」という意味らしいです。この事件の犯人はなにに対して復讐したのかはわかりませんが、やはり「自分を取り巻く環境」ってことになるのでしょうか。

 この「秋葉原事件」はあの「池田小事件」と同じ6月8日に行われたことや、2000年の西鉄バスジャック事件の犯人の少年と同世代だったりするんですが、ネットへの犯行書き込みという側面も似ていますし、やはり「現在の日本」を象徴する事件なのかもしれません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なにを探してるんだろう? | トップ | チェンジング・レーン (2002... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

BOOKS」カテゴリの最新記事