CNNニュースによると
「コロナ禍でも、世界の大富豪の資産は、増加の一途で、トップ10人の資産合計は、最貧層31億人の資産総額の6倍になった」
とのことだ。
こんなニュースを見ても、今のままの資本主義でいいと思うなら、もう、勝手にしろと言いたい。
トップ10人の資産の、6分の1で生きている最貧層の31億人だって、トップ10人と同じ人間。
こんな残酷な不平等こそが、人権侵害だろう。
資本主義は、競争によって効率的に生産性を高め、より多くの人間に、公平に、より多くの富を配分するためのシステム。
それなのに、今は、ほとんどの富を、大富豪が独占している。
もし、これ以上、格差が拡大して、警察や軍隊までもが、最貧層に入るようなことになったら、この世界は、一体、どうなるんだろうと考えてしまう。
そう考えると、日本の警察と自衛隊には、感謝しかない。
資本主義社会では、競争に勝った者は、益々富み、競争に負けた者は、生存限界へと落ち込む。
資本主義という「弱肉強食」だけでは、政情不安となり、国家がもたないから、「民主主義」が、資本主義の暴走をコントロールしなければならない。
それなのに、どうしたんだ。「自由、平等、博愛」は、どこへ行ってしまったんだ。
日本も、民主主義国家だから、1兆円の資産を持つ大富豪でも、資産のない人間でも、選挙権は1人1票。「主権者の平等」が担保されている。
ところが、国民は、そんなことには無頓着。民主主義の要である「選挙」に行かない愚か者が多過ぎる。
その結果、資本主義は暴走し、格差拡大に歯止めが掛からない。
日本の大企業は、落ちぶれてきたのに、「役員以上の経営陣」の年収は、昔より高額になっている。同期入社であっても、部長以下の「社員で、会社人生を終わる人」の数倍の、生涯年収を得ている。
大企業の中でも、格差が広がっているのだ。
政府が主導する「円安、株高、ゼロ金利」の恩恵は、資本家と大企業の経営者だけに、行き渡る。
人に使われて働くサラリーマンなんて、そもそも蚊帳の外。
しかも、サラリーマンに代表される庶民にとって、「円安、株高、ゼロ金利」は、残酷な金融制度に過ぎない。
それなのに、誰もその事実に気づきもしない。不思議な話だ。
「ゼロ金利だって、投資すれば儲かる」、「借りてる住宅ローンが、安くなるから、ウェルカム」、「景気をよくするために、貯金なんてしないで、金を使おう」なんて言っていては、お終いだ。
残念ながら、今のところ、経済制度としては、「資本主義」に勝るものは無い。
しかし、忘れてはいけない、資本主義は、「競争」を前提とした「勝者総取り」の過酷なゲーム。
しかも、最近では、AIやITを駆使して、新たなビジネスモデルを構築した者だけが、富を独占する時代へと突き進んでいる。
これからの時代、いくら頭がよくて、どんなに高学歴でも、人に使われるサラリーマンという、「終点が見える地平」で働くという選択をする限り、バラ色の未来は、決して来ない。
なぜなら、そんな「地平」は、縮小していくだけだからだ。