ソメサタ。

波打ち際。


歩く度に足が砂にまみれる。


また歩く度に波に洗い流される。


立ち止まればどんどん砂に埋もれていく。



多分、生きてく事はこの地球の簡単な原理が証明してくれている。

コク。

君は誰からも好かれやすい。


君はよく笑う。


君は何でもそつなくこなす。






只、ひとつ下手な事があるよね。


自分のやりたい事をやらないよね。


君が僕のために作ってくれた味噌汁。

君が僕のために買ってくれたプラモデル。

君が僕のために見せてくれた卒業アルバム。

君が僕のために誘ってくれたドライブ。

君が僕のために取ってきてくれた小さなボール。

君が僕のために咲いてみせた笑顔。




どれも嬉しかった。


君が今度は何か教えてよ。


僕ができる事見つけるから。






あ、その前にラムネ飲みに行こうか。

カシューフ。

この月明かりの下。




煙草をふかしてみる。




よろめく煙を月まで見送る。





やり場のなかった気持ちを絡めて。




煙草。







吸えないけど。

タナハ。

今日、僕がすること。






猫背を直すこと。

サーフ。

いいんだよ。





博士は知っていた。




何もかも。