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ヘタレオヤジの飛騨高山ウルトラ・72km奮戦記(前編)

2013-06-14 01:59:37 | ウルトラマラソン
この大会は昨年、エントリーに失敗している。第1回とあって走ろうと思った1月には定員に達し、すでに締め切られていた。野辺山高原ウルトラから3週間後の開催。ちゅうちょなくエントリーした。問題は後で考えればいいこと。無謀なことはわかっているが、走りたいという気持ちを優先させた。

ところが、野辺山高原では体調管理ができておらず、ピークを過ぎた前半の稲子湯(35km)地点で早々にレースを自ら打ち切った。
エイドでスポドリやバナナなどを食べる度、胃酸分泌が活発でムカつきを覚え2回ほど吐きそうになり、下りの走りが続かなくなった。体調も万全とはいかないため、42kmの関門はクリアしても次へは続かないだろうとの早々の判断だった。

ところが、先週わがチームの5人全員がしまなみ海道ウルトラを完走した。
こりゃ今回は何としても外せないとの思いを強め、臨んだ飛騨高山ウルトラマラソンだった。

京都から高速バスで前日午後1時過ぎに高山バスターミナルに到着。
評判の高山ラーメンでお昼。
市民会館で受付を済ませると、後から私を呼ぶ声が。ERC山岳軍団のマギースーさん。東山三十六峰トレイルを3時間を切って走る山男。久しぶりの再会だったが、明日は72kmを7時間そこそこで走りたいときいた。さらにわがチームのこーなんすいとぴあさん。息子さんが100kmにチャレンジするというので応援にきたのだとか。


●説明会風景


何しろ初めての大会。情報は仕入れておきたかった。2時からの説明会に参加。このブログのコメントに出てくるコース設定者の丸山さんの説明も画像解説付きでわかりやすかった。いかにもJOGとトレイルが好きそうなコース。そして、ジョークも好きそうで私と性分が似て好印象。説明会終了後、彼にも挨拶はしておいた。
駅からさほど離れていないホテルにチェックイン。ここならスタート会場の市役所前まで徒歩10分ほどで行けそうだ。
夕刻までの時間、高山市内を散策する。
               

                  
●宮川の眺め




●古い町並み


【準備編】
なんせ、準備は万全にしたかった。
レースまでの体調管理。膝対策として1週間前からグルコサミン、胃腸のためにビオフェルミンを飲み続けてきた。
ウェストポーチには胃酸分泌抑制剤と胃粘膜保護剤を忘れず用意した。さらに急な下痢止め。
コースの高低差は「ルートラボ」で調べ、距離ごとの設定タイムと関門時間のメモも作り、ウエストバッグにしのばせる。


●目標設定表



●高低表


NETで第1回の完走記も読み、自分なりのイメージトレーニングも。
要は自分の身体がどれだけ動くかだ。
明日の天候予想は最低17℃。最高29℃、晴れの予想。日焼けで消耗しないよう用意したC3FITのロングシャツをアンダーに用意した。とりあえず着替えは用意するが、何もなければタオルで汗を拭くだけとする。

【レース当日】

9時過ぎに寝床に入ったが、浅い眠りのまま3時に起床。
顔を洗い、持参したBROOKSのドリップコーヒーで寝ぼけた頭をさます。
前夜用意されたおにぎりとお茶で朝食をとり、身支度。
まずは足のテーピング。足首がぶれないように固定する。次に両膝のテーピング。
さらに鼻炎、頸椎症の鎮痛消炎剤、胃腸薬の薬を飲んで、準備は万端。
今回のシューズはアシックスのターサーIGS。重さ200gほどの軽いヤツ。普通はハーフで使っているがウルトラで使えるかチャレンジ。
トイレに立ったが、そんなに出なかった。無理して意識する必要はない。後は自然のおもむくまま。

午前4時過ぎ、ホテルを出発。スタート会場の高山市役所を目指す。だんだんランナーが市役所前に向かっている。

                  
薄明るくなってきた頃、高山市役所前に到着。



今回はウエーブスタート。3グループに分け15分毎にスタートする。昨年より倍化したランナーが道路幅の狭い昔の街並を走らせるのは危険との判断らしい。
4:45 第1グループの100kmランナーが出ていく。



●100kmランナースタート


スタート前にこーなんすいとぴあさんとあいさつを交わす。丹生川エイドでエネルギー補給に冷たいビールをとお願い。はたして54kmまでたどりつけるだろうか?     

5時15分スタート。
スタートロスは10数秒。ロスというほどの時間ではない。
曇り空の中を走り出す。すぐに集団はばらけ、「気持ちの良いペースで長丁場を走ろう」と思う。
高山の街の中心を貫く国分寺通りを行くとすぐに昔の街並へ右折。道路が急に狭くなり、両側には側溝が開いている、



いきなりハイライト。いやーこんなところを走るコースってありますか!?
400mほどで大きな通りに、次はお寺の並ぶ東山遊歩道。こりゃ路地ですよ。
遊歩道から大きな通りに出るとまたしても車の通行が少ないような田舎道へ。
先を行く編み笠でさくら道のTシャツ姿のランナーを目印にしていたが、息も上がってないのでピッチを上げると簡単に追い抜いていました。5kmまではフォームや腕振りなどを意識的にチェック

5km 29'56"
いや~いいすね~!息も上がらず、軽い走りです。やはりターサーIGSが軽いからでしょうか?
軽快です。


●旧木曽街道に入る
    

大きな通りでは側道、小さな道路に入るとランナーは道いっぱいに広がる。。
美しい田園風景の中、快調に気持ち良く進んでゆく。
いよいよ山間部に入り、田んぼの風景から高度を上げていく。美女高原への道。

10km 29'56" 
ええっ!! 8km位から上りが入ってたのに、30分を切ってる!?。
ええいっ。このまま行けーっ。

10kmを過ぎ、木曽街道の別れから約200m余りを登っていくのだが、なんということか。先発の100kmグループの最後尾をとらえていく。
私は6分/km。彼らは7分半/km。明らかにスピードが違うから、どんどん抜いていく。
彼らは美女高原への登りがきつくなるとすでに歩いている。
まだまだ序盤戦。4.5度くらいの坂なら走らなくっちゃ。
美女高原まであと3kmの表示から経過時間で残りがどのくらいか推測する。



峠を過ぎると開かれた風景が飛び込んできた。
ちょっと下ると目の前に大きな横断幕。上りはじめた太陽にランナーが輝いている。14.3kmの美女高原キャンプ場エイド。
ここでは去年は特産のトマトジュースだったが、今年開発されたトマトアップルジュースがふるまわれている。



2杯いただいた。
ついでにトイレ。尿は少ないのだがついつい並んでしまう。本来は省略できる時間。あわせてこれからのために胃酸分泌抑制剤を服用した。
休憩5分くらいか、エイドを離れ、次の朝日村エイドへ下っていく。
道路端のアスファルトの亀裂をさけ、中央を走る。
ここは車が下りてこない。下りは好きな方である。歩幅を小さくしピッチを速くして駆け降りる。
どんどん前のランナーを抜いていくのが快感だった。


●大きな下りを駆け降りる


すぐに15kmのチェック。レースでは10km毎にタイムチェックを受けるが、5km毎は表示だけ。自分がどんな走りをしているかは自分でチェックしないといけない。

15km 40'25"
約5分の休憩を入れて、ほとんどの登りで35分。なんか今日は調子イイ。

どんどん下りでスピードを上げ、開けた里の方へ下りてきた。朝日に照らされまぶしく輝く長く連なったランナーの列。これは絵になるがスピードが出ているため画像に収められず。
レース中の画像はiPhoneである。
途中輝く川の景色が美しく、撮影。



ほどなくして、19.3kmの道の駅ひだ朝日村に入る。2時間5分で到着。関門時間まで55分の余裕。
我ながらこんな時間で通過できるとは思っていなかった。
ここでは特産の「よもぎそば」をいただく。


ランナーにとってはバナナやあんぱんだけでなく、こういう喉越しの良い食べ物はありがたい。
休憩5分。次のカクレハキャンプ場に向かう。

橋を渡る時、川が朝日に輝いていた。道路脇には清流が流れているが空梅雨とあって水量は少ないようだ。




すぐに20km 36'26"
この区間も休憩を入れてこのタイムだから、なかなかイイ。設定タイムより9分速い。

カクレハキャンプ場に向かう山間の田舎道に入っていく。
ところどころ、美女高原への登り下りで脚に来たのか歩いているランナーモ見かける。
なだらかな坂を上がっていく。
27.2kmのカクレハエイドまでは前後のランナーの流れについていくしかない。後も前も長く続くランナーの列。まだまだ中盤で自分は走ってると自覚できる。


25km 37'26"

若干の登りでキロ7分半に落ちてきた。
山間が迫り、川沿いの道をゆっくり上って行く。





我慢どころは頭の中で数を数える。坂道では500歩でだいたい400m。
陽に照らされた木の葉がすがしい、




ようやく、山間が開けてくると遠くに横断幕が見えた、カクレハキャンプ場だ。
緩くなった傾斜の中でエイドへ突入していった。エイドでは必ずといっていいほどかぶり水が用意されている。まず、ひしゃくで3杯ほど首筋、頭を冷やす。
ああ、生き返った。
標高960mまで登ってきた。このエイドでは「冷やしうどん」麺が細いからひやむぎではないかい。オレンジもいただいた。
ふくらはぎ、膝、太ももにエアーサロンパスをふりかけ、エイドを後にする。休憩8分。

さあ、いよいよ急坂。3km余りで300mのぼらなくちゃならない。
キャンプ場から大きく坂を左に回ると
ヒィーッ。斜度のきつい坂がまっすぐ続く。

ちょっと走りだしたがすぐにあきらめた。こんな坂をチンタラ上がるのもなんだと思って、iPhoneの音楽をかけて登ることにした「。



●キャンプ場から



●後ろのランナーはこんなに高度が違います



●左の白い部分がつづら折の坂の下の部分


走って上がっても脚への負荷は増すばかり。歩いて上がってもそう距離は変わらないと割り切った。
いきものがたりの「風が吹いている」Beatlesの「GET BACK」、サイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」、米米クラブの「浪漫飛行」などなど。リズムよく気持ちよく上がれる。まわりのランナーのみなさん。ご迷惑ごめんなさい。iPhone片手にスピーカーで音楽流しながら上がりました。
歩いて上がる時は腕は前に大きく振って、速めにリズムをとって歩きます。

後のランナーがぐんと下へ。ほぼ10分で100m登っていると推測してようやく30km

30km 60'51"
カクレハでの休憩の8分除いてもやはりこの区間はきつい。斜度7.8%でしたから、周りのランナーもみんな歩いてた。ここで走って上がるのがいたら、この集団にはまずいないし、余程前半にアクシデントがあった人でしょう。
ずいぶん高度をあげ、森の向こうに白く輝く乗鞍が見えた。




写真を撮ってると、後続のオッチャンが記念スナップをお願いしてきた。
で、ハイ!チーズ。

30kmを過ぎてもまだ上りは続く。
説明会ではあと700mときいていたので心配ない。

スキー場の第2関門まで、ここからは微妙なアップダウンが続く。私と併走していた女性は舗装路から未舗装の駄吉林道に入った途端、どんどんスピードをあげ、先に行ってしまった。




未舗装の道路と言っても野辺山のようなジャリだらけの悪路ではない。それも短い。
かなり、高度を上げたので道路から見る谷は深くなり、白山らしき頂が遠くに見えた。




すると併走していた東京から来たというオバちゃんが「あれ、北アルプスだよねぇ?」という。「あれは高山方面の西に見えるから白山じゃないですか?」「そっかー。白山」こんな会話ができるのもウルトラの楽しいひととき。
太陽が高く昇っても暑さはそんなに気になりません。
ほぼスキー場に近づいた時、バイクのお兄ちゃんが「あと400m上ったら、右手にスキー場が見えますよ。もうすぐです」と情報をくれた。彼はバイクでコースを行ったり来たりしながら、ランナーのサポートをしてるようです。

前半にだいぶ貯金をしているから休憩タイムも余裕があり、大きな登りで設定タイムを超過してもほぼ前半は設定以上の走り。
ほぼ中間の飛騨高山スキー場の第二関門では関門時間から約1時間近い4時間48分で到着した。

                                  後編に続く

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